Record China 2019年6月10日(月) 9時30分
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河南省で発掘調査されていた殷代の墓の一つが、鋳銅技術者一族の墓であることが分かった。
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河南省で発掘調査されていた殷代の墓の一つが現在までに、当時の鋳銅技術者一族の墓であることが分かった。殷代の青銅器は古美術としての価値も高く評価されている。当時の鋳銅技術者の墓が確認されたのは初めて。新華社が2019年6月7日付で伝えた。
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殷王朝は、現在までに考古学の調査で存在が立証された中国最古の王朝。紀元前17世紀ごろに成立し、紀元前1046年に滅亡した。新たに発見された鋳銅技術者一族の墓が作られた具体的な年代は紹介されていないが、現在からは3000年以上昔ということは確実だ。
発見場所は河南省安陽市にある「洹北商城」と呼ばれる遺跡。安陽市には殷代遺跡である殷墟の北西にある。殷墟は殷代後期の都の跡だが、「洹北商城」は殷代中期のものとされる。中国社会科学院考古学研究所の安陽工作站(安陽作業ステーション)は2014年から、「洹北商城」の調査を続けてきた。
15年8月に、鋳銅の作業場の跡と判断できる遺構が見つかった。新華社は「王室に管理され、統治者階級のために青銅の儀式用具を作っていた殷代中期の工房の神秘のベールがはがされた」と紹介した。
その後確認された鋳銅技術者一族の墓は、作業場全体の敷地の中にあった。被葬者は計42人で、それぞれの墓の配置に一定の規則性があることから、家族または一族の墓と判断できるという。副葬品としては、銅刀や砥石のほかに、鋳造の際に用いた金型の陶器も見つかった。青銅鋳造用の陶器製金型が見つかったのは初めて。副葬品に鋳造用の道具が見つかったことから、被葬者は青銅鋳造の技術者だったとみられている。
研究者は同発見が、当時の青銅器製造の組織や管理、運営、技術者の等級や地位、技術の伝承や革新など、多くの問題を解明していく手がかりを与えてくれると期待している。
鋳銅の作業場の跡では、金型のを作った場所、鋳造場所、作業廃棄物の捨て場所などが徐々に判明しつつあるという。また、牛の頭や牛角が安置されていた穴もあり、青銅器製造にまつわる祭礼と関係しているとの見方が出ている。(翻訳・編集/如月隼人)
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