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中国おやつ産業の年生産額が35兆円突破、「安いものを買う」から「品質重視」へ―中国メディア

人民網日本語版    2019年6月1日(土) 8時20分

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中国商務部が発表した「消費バージョンアップの背景の下でのおやつ産業発展報告」によると、現在、中国のおやつ産業の年間総生産額は2兆2156億4000万元(約35兆4500億円)に達しており、なかなかの「存在感」だといえる。

おやつといえば、暇つぶしに食べるもの、食事を補完するものに過ぎず、「存在感」がないと考える人は多い。しかしこのほど中国商務部が発表した「消費バージョンアップの背景の下でのおやつ産業発展報告」によると、現在、中国のおやつ産業の年間総生産額は2兆2156億4000万元(約35兆4500億円)に達しており、なかなかの「存在感」だといえる。人民日報海外版が伝えた。

約2兆元とはどのような数字かといえば、遼寧省の年間GDP(国内総生産)に迫り、全国の半分以上の省・自治区・直轄市のGDPを上回る数字だ。おやつは食事を補うものから、「4番目の食事」へと徐々にバージョンアップしている。人々はさまざまなおやつを消費し、おやつも人々のさまざまなニーズを満たす。おやつ産業の急速発展の背後にはどのようなロジックがあるだろうか。

■「買い物かご」のおやつが増加

揚げ菓子の麻花は4日で15トン、全部で200万本が売れた。お焼きは4日で1万769個売れた。創業8年目のおやつブランドは2019年の営業収入が100億元(約1600億円)を突破する見込みだ。このように中国おやつ産業は目下、空前絶後のスピードで爆発的な発展を遂げている。

おやつは「食事」とは異なる食品ととらえられ、長らく必需品とはみなされていなかった。しかしここ数年、おやつ食品はますます豊富になり、ネット通販の「買い物かご」に入る割合もますます高くなった。同報告によると、06年から16年の間に、おやつ産業の生産額は急増傾向を示し、4240億3600万元から2兆2156億4000万元に増加し、成長率は422.51%にもなる。関連の試算では、20年の生産額は3兆元(約48兆円)に迫るという。産業分類別にみると、生産額の規模上位3位には野菜・果物・ナッツ類加工産業、肉製品・副食品加工産業、インスタント食品産業が並び、全体に占める割合は順に26.5%、21.22%、18.01%だ。

専門家は、「消費バージョンアップの歩みが加速するにつれ、新興のおやつ小売ルートが急速に発展し、おやつ産業の発展は急成長の段階に入り、未来の消費財市場で最も見通しの明るい、最も活力にあふれる産業になると予想される。現在、おやつ産業では多くの有名ブランドや上場企業が育ち、『三只松鼠』(3匹のリス)、『百草味』、『周黒鴨』、『来伊份』(LYFEN)などがあり、未来の可能性は非常に大きい」と話す。

■個性が突出、「ネットで安いものを買う」から「品質を重視」へ

人々がおやつを選ぶ時に重視するのは何か。どんなシーンでおやつを消費するのか。

湖北省出身の李嘉●(リー・ジアパン、●は目へんに分)さんは、「甘い物が好きで、まず口当たりを重視し、ブランドも重視する。ストレスが大きい時は、甘いものを食べるとストレスが解消され、食べた瞬間にいやなことを全部忘れる。しかし無節操な食べ方をしているわけではなく、摂取カロリーを抑えるよう注意している」と話す。李さんの話は、多くの若者の声を代弁している。おやつには健康的で、栄養があり、ブランド力もあることが求められると同時に、最近は「アピールポイント」もますます重視されるようになった。同報告によると、ここ数年、「天然」、「無添加」、「原産地」、「一日分の栄養を考えたパッケージ」などの特徴的なアピールポイントを持ったおやつが、市場で急速な伸びをみせるという。

取材に答えた多くの人が、「食事をしっかり食べると同時に、おやつは生活の一部として欠かせないものになった」との見方を示した。消費者はレジャーフードを食べる過程で好ましい場面設定を追求する「シーン化」のニーズをより多く満たすことができ、精神面での共感や気軽で楽しいレジャー体験をより多く得ることもできる。大手ECのおやつ食品供給状況をみると、商品の人格化という特徴を備えた商品がますます増え、人々の心理状態にも合致する。たとえばカクテルブランドのRIOの「微醺」(ほろ酔い)シリーズは「1人で軽く一杯」のキャッチコピーを通じて、個性的、若者、独立といったイメージを伝えている。生活情報サイト・58同城が発表した「働く人のおやつ図鑑」の関連調査によると、南京、蘇州杭州などのオフィスでおやつ文化が発達し、おやつは同僚との距離を縮める「重要アイテム」だ。また、市場で人気の「臓臓包」(チョコレートパン)などのネットで人気のおやつには、トレンドや流行がどこでも発生するというインターネット時代の特徴がよく現れている。

おやつ消費の盛り上がりの背景には、消費バージョンアップがあり、おやつ企業とECには巨大なチャンスがある。データによると、18年は全国の1人あたり平均可処分所得の実質成長率が6.5%に上昇した一方、エンゲル係数は28.4%で前年比0.9ポイント低下した。アナリストは、「所得増加はおやつ文化の人気を支える重要な要因。生活レベルの向上を前提に、人々のおやつ消費は選択の可能性がより広がり、商品の品質に対する要求も上昇を続け、これまでのような『ネットで安いものを買う』から『品質を重視』へと移行している」との見方を示す。

多様化、さまざまなシーン、高品質、高頻度を求める消費ニーズに後押しされて、おやつ企業もバージョンアップの未来図を次々に描いている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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