「闇診療所」に頼るしかない出稼ぎ労働者、中国の医療制度改革の道のり長く―英メディア

Record China    2013年3月30日(土) 9時20分

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27日、中国政府が医療制度の改革を掲げる中、闇診療所は相変わらず繁盛している。北京市の戸籍を持たない出稼ぎ労働者は公立病院を受診することができない。写真は北京で闇診療所を取り締まる警察。

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2013年3月27日、ロイターによると、中国政府が医療制度の改革を掲げる中、闇診療所は相変わらず繁盛している。北京の街の片隅、裸電球一つの粗末な「部屋」は出稼ぎ労働者である張雪方(ジャン・シュエファン)さんからすれば「一番いい病院」である。環球時報(電子版)が伝えた。

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北京市民ではない張さんは市内の公立病院でもっと安く治療を受けることができず、遠く離れた故郷の医療補助金を受け取ることもかなわない。病気になった時には、北京に暮らす数百万人の出稼ぎ労働者同様、不衛生で無秩序な「闇診療所」に頼るしかないのだ。

この問題は国の財政を圧迫する医療制度の欠陥と、戸籍制度改革問題の核心を浮き彫りにしている。中国独特の戸籍制度は13億人を明確に区分し、膨大な農村部の住民が都市部に定住することを阻んでいる。農村部の住民は出稼ぎに来ても、戸籍を都市部に移すことは難しく、戸籍がないことで都市部の基本的な福祉や公共サービスを受けることができない。中国の新指導部は改革を通して、この異常なシステムを変えていくことを明言している。

北京の首都経済貿易大学の教授は「闇診療所は中国の医療制度の暗部である。出稼ぎ労働者が闇診療所の常連客となるのは、医療制度に欠陥があるからだ」と指摘する。北京市政府の公式データによると、2010年以降、約1000カ所に上る闇診療所を閉鎖してきたが、多くは閉鎖から数日後には営業を再開しているという。

「私たち出稼ぎ労働者だって、闇診療所には行きたくないけれど、大きな病院に通うお金はない」と話す張さんは以前、風邪で北京市内の公立病院を受診したが、治療費は月収の4分の1にあたる800元(約1万2000円)だった。

中国は絶えず医療制度改革を強化しており、2012年は前年比12%増の7199億元(約11兆円)が注ぎ込まれた。一方、日本の厚生労働省に当たる中国の人的資源・社会保障部の統計によると、健康保険に加入している出稼ぎ労働者は全体のわずか20%である。また、出稼ぎ労働者の都市部での医療費は一部払い戻しされるが、最初の支払いは自己負担である上、手続きが複雑で時間もかかる。医療制度の改革の道程はまだまだ長いことがわかる。(翻訳・編集/XC)

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