2019年4月17日、韓国・ソウル経済は、サムスン電子の会長が指摘した「韓国社会の問題点」について報じた。

記事によると、サムスン電子の権五鉉（クォン・オヒョン）会長は10日、浦項工科大学の教授40人余りを対象にした講演で「韓国社会は巨大なサイロ（silo＝気密性に優れた穀物貯蔵庫）集団だ」と批判し、「サイロ間の移動が頻繁な米国のように、純血主義をなくして海外人材に対する受容性を高めなければならない」と指摘したという。サイロは「（穀物）貯蔵庫」を意味し、外部と壁を作って疎通できない組職を指す。記事では、かつて故スティーブ・ジョブズ氏が「ソニーがアップルになれない理由」として「サイロ」を挙げていたと伝えている。

また、経営者やリーダーとして必要なものについて、自身の信念である「未来に備える時間」を一貫して強調し、「未来を準備するには考える時間が必要だが、韓国のリーダーたちは多くの時間を（不要な）会議や対立調整に使う。情報が制限的だった過去と異なり、今は情報へのアプローチ方法が多様化したため、以前のリーダーたちのように会議をたくさんする必要はない」とし、「対立調整のためには互いに業務を変えてみる方法が非常に効果的」と提案したという。

この他にも、権会長は韓国の大学に必要なものや、AI戦略、組織文化などに言及したという。

これを受け、韓国のネット上では「まさにその通り。経験から出てくる助言」「大統領の言葉よりも、サムスン電子役員の一言一言が骨の髄まで染み込んでくる。尊敬する」「文大統領をはじめ現政権はこれを聞いて何かを感じるべき」など賛同コメントが上位を占めている。中には「柔軟性がなくなり、よどんだ水のようになった韓国社会。このままだと最終的に爆発、もしくは社会主義化してしまうと思う。すでに多くのところで社会主義化してるけど」と韓国社会の危機的な状況を指摘するユーザーも登場している。

一方で「権会長は前会長の息子だよね。まずはそこから変えるべきじゃない？」「すでに（大学の）教授集団自体がロビーに金にコネに接待に、とクリーンじゃない」「サムスン自体がサイロ」など批判的な意見も見られた。（翻訳・編集/松村）