北京―上海高速鉄道が株式上場へ、中国で鉄道企業の「改造」が加速

Record China    2019年2月27日(水) 23時40分

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中国政府・中国証券監督管理委員会北京監管局は2019年2月26日付で、京滬高速鉄路股フェン有限公司の株式発行と上場についての指導状況を説明する文書を発表した。

中国政府・中国証券監督管理委員会北京監管局は2019年2月26日付で、京滬高速鉄路股フェン有限公司の株式発行と上場についての指導状況を説明する文書を発表した。新華社など中国メディアは同日、同社の株式上場は中国の鉄道会社の株式制への「改造」についての重要な措置の一つと解説する記事を発表した。

中国では中国鉄路総公司が、地下鉄や都市郊外鉄道以外の全国鉄道網を統括している。地域別または路線によっては別会社を設立して、傘下企業とする方式だ。中国鉄路総合公司は中国政府が資産を管理する国有企業だが、新華社によると、傘下企業を株式会社にして、株式上場もおこなう「改造」を行っているという。

中国で、国有企業が傘下企業を株式上場させ、傘下企業に対する一定の持ち株比率を維持して支配力を保持しつつ資金を調達させ、事業の拡大を図る事例は珍しくない。

北京と上海を結ぶ高速鉄道の京滬高速鉄路を運営する京滬高速鉄路股フェン有限公司については、中国の国内証券取引所に、いわゆるA株として上場するという。記事によると、京滬高速鉄路股フェン有限公司の資産は優良で、キャッシュフローも安定している。過去3年間にわたって黒字経営を続けてきた。そのため、株式上場の条件を満たしているという。

上場にあたっての、いわゆる幹事会社を務めるのは中信建投証券で、2019年内にも中国証券監督管理委員会から、上場計画が承認される見通しという。

北京と上海という二大都市を結ぶ京滬高速鉄路は、経由地も経済発展地域であるため鉄道事業の展開には極めて有利だ。株式上場による資金調達で、従来以上に積極的な経営が可能になるとも考えられる。記事は、同社の株式上場を「鉄道企業の資本構造を改良調整するための具体的な行動」を評した。

記事は直接触れていないが、中国では国策として高速鉄道とが急ピッチで進められてきたため、採算性に極めて乏しい路線が大量に出現したとの、専門家による指摘もある。高速鉄道に限っても、優良路線を保有する企業が株式上場などで資金を豊富に調達し、そうでない企業は中国鉄路総公司にとっての、ひいては中国経済全体にとっての「お荷物」と化す「路線間格差」が増大する可能性も否定できない。

なお、日本の場合には、旧国鉄が膨大な赤字を累積したために解体されて、旅客運送部門については地域別にJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州に分割された。当社は6社すべてが、特殊法人の国鉄清算事業団が全株式を保有していたが、2016年までにはJR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社は全株式が売却され上場株式となる「完全民間化」が実現。しかしJR北海道、JR四国については、国鉄清算事業団の事業を継承した鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全株式を保有しており、鉄道の地域間格差、あるいは路線間格差は埋まらない状態が続いている。(翻訳・編集/如月隼人

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