Record China 2013年1月17日(木) 9時37分
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16日、岩田一政・日本経済研究センター理事長は日本記者クラブで記者会見し、日本経済が直面するリスクの一つとして、中国経済の「中所得の罠」を挙げ、「一人当たりのGDPが1万ドル(約88万円)を超え『1万ドルの壁』をクリアできるかどうかだ」と指摘した。
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2013年1月16日、岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は日本記者クラブで記者会見し、日本経済が直面するリスクの一つとして、中国経済の「中所得の罠」を挙げ、「一人当たりの年間国内総生産(GDP)が1万ドル(約88万円)を超え『1万ドルの壁』を乗り越え高所得国に移行できるかどうかだ」と指摘した。
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中所得の罠とは、1人当たりの平均所得が世界の中位レベルに達した後、発展方式の転換が進まなかったために、新たな成長の原動力不足を招き、経済が長期的な停滞に陥ること。岩田理事長は懸念材料として、(1)都市と農村間の機会ギャップ拡大、(2)戸籍制度による労働条件・賃金の格差拡大、(3)GDPに占める消費の割合の低さ(42%)と投資比率の高さ(50%)、(4)環境汚染・自然資源の劣化―などを列挙。その上で、「アジア新興国で高所得国へ移行できたのは、韓国、台湾、シンガポール、香港だけだ」と語った。
このほかのリスクとして、岩田理事長は米国の「財政の崖」問題がくすぶっていること、日本の政府債務危機・長期金利急騰懸念、日本・中国間の領土問題―などを挙げた。尖閣諸島をめぐる日中紛争については「国際司法裁判所に訴えることも一つの選択肢」との考えを示した。
また、日本のデフレ脱却にはさらなる金融緩和が必要との持論を展開。安倍晋三首相が日銀に導入を求めている2%の物価上昇率目標の達成には、円高是正が不可欠と語った。
岩田氏は、今年4月に任期が切れる日銀の白川方明総裁の後任候補の1人とみられている。(取材・編集/HY)
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