Record China 2019年2月4日(月) 7時0分
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オーストラリア・シドニー市(写真)は旧正月の祝賀活動名を「中国の新年イベント」から「太陰暦の祭り」に切り替えた。ベトナム系や韓国系の住人などの主張に対応した。しかし中国メディアの新浪網は2023年には「別の問題」が発生する可能性があると指摘した。
オーストラリア・シドニー市は今年(2019年)から、旧正月の祝賀活動の名称を、これまでの「Chinese New Year events(中国の新年イベント)」から「Lunar Festival(太陰暦の祭り)」に切り替えた。ベトナム系や韓国系の住人などによる「旧暦の年越しを祝うのは中国人だけでない」との主張に対応したという。しかし中国メディアの新浪網は19年2月2日付記事で、多くの国の出身者に配慮したことでかえって23年には「別の問題」が発生する可能性があると指摘する記事を発表した。
シドニー市では、中国人が「春節(19年は2月5日)」と呼ぶ旧暦の新年を祝うイベントが盛大に行われる。中華街の祝賀行事、ドラゴンボートの競争、グルメ祭り、獅子舞などで、「一カ所で最も多くの人が餃子を食べた」ことで、ギネス世界記録にも登録されたという。今年の旧暦新年の催しは2月1日から10日までで、130万人の人出が予想されるという。
旧暦新年に「Chinese New Year」の呼称を用いることには、ベトナム系や韓国系住民から不満が出ていた。インターネットでは、呼称の変更をして「もっと一致団結できる方式」で祝うことを求める署名運動も発生したという。
中国・オーストラリア歴史学会の関係者であるダフネ・ロイ・ケリー氏によると、名称変更に多くの中国系住民は不満を示した。ケリー氏は「もっと広い視点を受け入れるべきだ」「旧暦や旧暦の新年を知らない人もいる。私はそのような人に、中国と中国以外の多くの国が旧暦を使っていることを知らせたい」などと述べて、説得したという。
記事によると、市当局は「名称変更は多くの地域コミュニティーと協議して決めたのであり、問題はすでに解決済み」との立場だ。
日本では、新暦の1月1日をもって年を示す干支(えと)が切り替わるが、中国では旧正月をもって新しい干支の年になったと考える。十二支の名称は本来、中国の伝統思想が重視する「気」のあり方を示すものだが、中国や十二支が伝わった国の多くで動物と結びつけて理解されるようになった。日本語で十二支を表す漢字を日本で子(ね)、丑(うし)、寅(とら)などと訓読みするのはそのためだ。
しかし、国によっては十二支と動物の結びつけ方が違う場合がある。例えば、次回は23年に訪れる「卯年」だ。中国や日本、韓国では「ウサギの年」と理解されているが、ベトナムでは「猫の年」だ。
新浪網記事の記事は、23年の旧正月を迎える際に、中国人とベトナム人の間で新たな問題が発生する可能性があると論じた。(翻訳・編集/如月隼人)
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