2012年映画興行収入、国産が初めて輸入下回る=海外映画の本数制限緩和が影響―中国

Record China    2013年1月11日(金) 17時32分

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9日、中国国家広播電影電視総局映画局は、2012年の映画興行収入が前年比30.18%増の総額170億7300万元に達したと発表した。写真は北京市にある「Lost in Thailand」のポスター。

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2013年1月9日、中国国家広播電影電視総局(広電総局)映画局は、北京市で記者会見を開き、2012年の映画興行収入が前年比30.18%増の総額170億7300万元(約2416億400万円)に達したと発表した。このうち国産映画の興行収入は82億7300万元(約1170億7300万円)で、総額の48.46%を占めた。昨年は、映画輸入規制の緩和を受け、輸入枠が14本新たに増加したことから、国産映画は市場で苦境に立つことを余儀なくされた。これにより、2012年の国産映画興行収入は、中国映画産業化改革から10年目にして初めて輸入映画を下回る結果となった。新京報が伝えた。

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■国産映画、上半期は冴えず

映画局の統計データによると、2012年、計893本の各種映画が過去の記録を塗り替えた。同年の全国興行収入総額は170億7300万元、うち国産映画の興行収入は82億7300万元、全体の48.46%を占めた。しかし、上半期の国産映画興行収入は28億500万元(約396億9400万円)で、1億元(約14億1500万円)を上回った作品は6本にとどまり、市場シェアはわずか34.75%だった。一方、輸入映画の興行収入は52億6700万元(約745億3500万円)に達し、12本が1億元を上回った。

下半期に入って、ようやく国産映画にエンジンがかかった。「人再●途之泰●(●=「口」の中に「ル」+「口」の下線なし、英題・Lost in Thailand)」、「一九四二」、「画皮2」、「寒戦」などが大ヒット、下半期に興行収入1億元を突破した国産映画は計15本、年間では21本に達した。このうち6本は2億元(約28億3000万円)、3本は7億元(約99億1000万円)をそれぞれ上回り、過去最高をマークした。特に「Lost in Thailand」の脅威的ヒットは、「1億元以上稼ぐのは大作の専売特許」という業界の常識を覆した。これまでの観客動員数は、「トランスフォーマー3/ダーク・オブ・ザ・ムーン」と「アバター」をしのぐ延べ3600万人を突破、興行収入約12億元(約168億5000万円)も、国産映画の最高記録を更新した。

■国産映画、年間で予想以上の好成績

2012年の国産映画興行収入は82億7300万元、全体の48.46%と、初めて輸入映画を下回る結果に終わった。このような結果は、2012年2月、米中両国が映画に関するWTO紛争・解決に向けた合意書を取り交わし、米国からの輸入映画のクォータ(割当枠)が増加されたことと関係がある。

映画局の童剛(トン・ガン)局長はこれについて、「国産映画の興行成績は、米中両国で合意書が締結された当時の予想を上回っており、十分に立派な成績といえよう。我々が今後やるべきことは、国産映画が生き残れるよう市場を広げ、国産映画の市場シェアに対する米中合意の影響を最小限に食い止めることだ。さらには、国産映画市場の潜在力を発掘し、産業チェーンを延伸させ、生産額の構造グレードアップを図り、中国映画市場をより強大化していかなければならない」との見方を示した。

<背景>

■米中映画合意

2012年2月18日、米中両国の間で、映画に関するWTO紛争・解決に向けた合意が成立した。合意によると、これまで年間20本までと制限されていた輸入映画の本数が、14本(米国3D映画)新たに追加され、計34本まで増えた。また、海外製作会社の興行収入の取り分についても、従来の17.5%から25%に引き上げられた。輸入映画の数量が大幅に増えたことで、国産映画の興行収入に大きなダメージがもたらされた。

<課題>

■上映期間の調整・完備が必要

2012年は、中国映画産業化改革の10年目に当たる年だった。2002年には9億2000万元(約130億2400万円)だった興行収入は、10年で18.5倍となり、中国は世界第3位の映画生産国かつ第2位の映画市場に発展した。だが童局長は「中国映画には、各ジャンルの映画の開発や多様性の構築の面で、まだまだ発展の余地があり、国有映画会社は、市場競争で弱い立場にある。また、国産映画の産業分布上のアンバランス問題や市場での上映期間に関する秩序の問題などは、今後も解決に向けて努力しなければならない」と指摘した。

■国産映画の海外興行収入、毎年少しずつ減少

2012年の中国国産映画の海外市場での興行収入は10億6300万元(約150億4800万円)と、決して好調とはいえない数字だった。2011年は20億4600万元(約289億6400万円)、2010年は35億1700万元(約497億8800万円)だった。この情勢について、童局長は「中国映画の海外進出計画を全面的に推し進め、映画の海外合作を積極的に展開し、海外合作映画製作に対する支援強化に努める必要がある。また、国際的に通用する潜在力を備えた優秀国産作品に対して重点支持・支援を実施し、中国映画が世界に及ぼす文化的影響力をさらに高めなければならない」とコメントした。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/内山)

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