「健康な高齢化を」と中国メディア、「第2次人口ボーナスの形成促す」とも

Record China    2019年2月17日(日) 5時30分

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日本と同様に中国でも高齢化が急速に進む中、中国メディアは「健康な高齢化は避けて通れない道」と強調。「高品質の健康サービス提供」などを通じて、「第2次人口ボーナスの形成を促す」と提唱している。写真は南京の老人。

日本と同様に中国でも高齢化が急速に進んでいる。中国メディアは「健康な高齢化は中国が避けて通れない道」と強調。「弱点を補強し体系を構築する必要がある」として、「高品質の健康サービス提供」などを通じて、「第2次人口ボーナスの形成を促す」と提唱している。

中国網によると、北京協和医学院、中国老年保健協会などはこのほど、「老年健康青書:中国老年健康研究報告書(2018)」を共同発表。この中で「中国の60歳以上の高齢者は2000~18年の間に、1億2600万人から2億4900万人に増加し、総人口に占める比率は10.2%から17.9%に上昇した。2026年になると、65歳以上の人口の比率が14%に達し、中国は正式に高齢化社会に突入する」との見通しを示した。

報告書は「高齢化の圧力が日増しに顕在化している。高齢者の健康サービスの発展が厳しい課題に直面している」と指摘。「『健康な高齢化』は中国が高齢化に対応するため避けては通れない道だ。これは高齢者の生理的な健康、心理的な健康、社会への良好な適応を中心的な理念とする」と述べた。

その上で「健康な高齢化と積極的な高齢化の促進は、社会・経済の発展に対して重要な意義を持つ」と言及。「高齢者に使用可能で受け入れられる高品質の健康サービスを提供することで、社会の調和と安定を促進できる」と呼び掛けた。

さらに「高齢者の健康寿命を延ばし生活の質を高め、支援型の養老・予防・医療・リハビリ・介護環境を提供し、疾患を予防し健康を促進することで政府・社会の財政負担を大幅に軽減できる」とも主張。こうした措置の実現により、「健康で活力あふれる高齢者が増加し、人的資本の減価償却率が低下し、第2次人口ボーナスの形成を促す」と説明した。

中国老年保健協会会長の劉遠立氏は「高齢化の発展を科学的に見据え、高齢者の健康事業の発展に有利な政策の全面的な制定」を提言。「高齢者に優しい環境を構築することで高齢者および家族がより質の高い生活を送れるようにし、世代間の調和的な関係を促進し、高齢化を背景とする持続可能な発展を実現するよう努力するべきだ」と訴えた。

中国国家統計局の発表によると、2018年の出生数は前年比200万人減の1523万人だった。出生数の減少は2年連続。中国では16年に「一人っ子政策」が全面撤廃され、すべての夫婦に2人まで子どもが認められるようになったが、少子高齢化に歯止めがかかっておらず、経済観察網は専門家の「中国の高齢化の程度は30年前の日本よりも深刻」との見方を紹介している。(編集/日向)

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