人民網日本語版 2019年1月12日(土) 16時30分
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中国のSNSで最近、「日本の空き家が無料でもらえる」というのが大きな話題となり、中国のネットユーザーらは目を丸めている。写真は高島平。
中国のSNSで最近、「日本の空き家が無料でもらえる」というのが大きな話題となり、中国のネットユーザーらは目を丸めている。瞭望東方周刊が伝えた。(文・陳言、メディア関係者、日本問題専門家)
実際のところ、日本では早くから「空き家」が増え続けていることが問題となっていた。日本政府は5年に一度、住宅・土地統計調査を実施しているが、2013年の調査結果によると、総住宅数は6063万戸で、空き家数は820万戸だった。そして、18年の総住宅数に変化はあまりなかったものの、空き家数は870万戸にまで増えた。つまり、過去5年間、日本では年間10万戸のペースで空き家が増えたことになる。
16年、日本の住宅専門雑誌は、20年後には空き家数が2000万戸にまで増えると予想している。つまり住宅3戸につき1戸が空き家になることになり、さらにそのかなりの部分が所有者のいない物件となり、譲渡すらできない状態になると予想されている。
最近日本に数回行った筆者は、空き家の増加は農村や郊外だけの問題ではなくなってきていると感じている。首都の東京でさえ空き家が明らかに増えたからだ。
東京板橋区高島平はその典型的な例だ。同地域は都営住宅が多く、地下鉄に乗って20分ほどで中心業務地区(CBD)の大手町に行くことができ、アクセスも非常に便利だ。スーパーやクリーニング店、喫茶店、幼稚園、小中高校なども全て揃っている。
筆者が30年前に東京で仕事をしていた時、何度も行ったことがあり、そこで家を借りたいと思っていた。しかし、当時は家を借りるために抽選に参加しなければならないほどの人気エリアで、何年待っても当たらないという人も多かった。
ところが、それから30年がたち、再び高島平に行ってみると、人の数が明らかに以前よりも減っていた。
以前なら何時にスーパーに行っても、大勢の客で賑わっていた。そして、割引商品コーナーには、人だかりができ、表示されている値段しか見えず、商品は見えないということも多かった。
今回は多くの人が仕事を終えて家に帰り食事を作る夕方の時間帯にスーパーに行ってみたが、客は少なかった。割引コーナーもたくさんあったものの、人だかりはまったくできていなかった。
ある喫茶店に行き、70代のマスターと話をすると、「最近は人が本当に少ない。以前なら外国人もたくさんいたけど、日本での仕事が終わり、すぐに帰国してしまった」と話してくれた。
「なぜ今はこんなに人が減ったのか?」と聞いてみると、「私たちの世代の人は老人ホームに入る年になった。でも、ここに引っ越して来る若者はほとんどいない。たくさんある都営住宅も5分の1くらいは空き家になっている」とため息交じりに答えてくれた。
端的に言えば、人口減少と少子化、深刻な高齢化が、日本で空き家を年々増加させている根本的な原因だ。
帰り道に不動産屋の前を通った時、一戸建ての家賃を見て見ると、30年前に比べてほぼ半額となっていた。そして、宵闇が深まるにつれ、街中も一層ひっそりとした雰囲気になっていた。
ホテルに戻り、スマホで「空き家」と検索して見ると、「空き家無償譲渡」や「一戸建ての空き家」、「空き家バンク」、さらに「無価値化」などの関連ワードが表示された。
30年前、日本でも住宅購入ブームが起き、東京の不動産価格は過去最多を記録した。しかし、それから30年が過ぎ、多くの不動産が「無価値化」してしまったということを考えると、虚しささえ感じる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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