不況にあえぐ中国輸出企業、国内市場への販売先転換は簡単ではない―SP紙

Record China    2012年12月12日(水) 5時50分

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9日、世界的な経済不況の影響を受けて苦境に立たされている中国の輸出企業の多くが、販売先を国内市場へ転向しようと試みている。しかし、実際には様々な障害があり、それほど簡単ではないという。写真は安徽省のマーケット。

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2012年12月9日、シンガポール紙サンデー・タイムズによると、世界的な経済不況の影響を受けて苦境に立たされている中国の輸出企業の多くが、販売先を国内市場へ転向しようと試みている。しかし、実際には様々な障害があり、それほど簡単ではないという。10日付で環球時報が伝えた。

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日々豊かになっていく中国13億人超の消費者を目の当たりにして、不振にあえぐ中国の輸出業者の多くが国内市場への転換を考えている。コンセントや電源類の輸出業を営む陳さんも国内市場転向を考えている一人だ。「海外の景気が悪くなってから、外国人との商売も昔のようにはいかなくなった。代金を期日通りに支払ってくれなかったり、踏み倒されたりもする」と話す。しかし、国内市場への販売は、陳さんが思っていたよりも難しく、「中国では何をするにもコネが必要。私はコネがないから大きな注文は取れない」と嘆く。

多くの輸出業者も陳さんと同じような状況だという。ルールに基づく明確な取り引き環境が確立している欧米市場に比べ、中国市場はより複雑で、公平な競争環境が欠けている。中山大学の林江(リン・ジアン)教授は「各地方政府が市場の販売ルートや組織に対して大きな影響力を発揮しているが、地方政府の高官と関係を築くのは容易ではない。時間をかけて、絶えざる努力を続け、高官と交流を保った後に、市場参入の問題を依頼する必要がある」と話し、市場参入の難しさとともに、コネの重要性を指摘した。

コネのない業者にとって、ネットショップの開店は比較的取り組みやすい手段だ。世界最大のインターネット人口を誇る中国では、今や多くの人がありとあらゆるものの購入にネットショッピングを利用している。しかし、毎日約1万店が新規に開店し、ほぼ同数が閉店していると言われるほど熾烈な競争が展開されており、ここで成功することは容易ではない。

一方で、医療・保健や教育関係など、国内市場に転向しやすい業種もある。こうした分野の国内ニーズは急速に伸びているものの、品質の良い製品やサービスが比較的少ないからだ。

ある出版会社の社員は「英語の児童書は、以前は大部分を海外に輸出していたが、その後国内企業からも注文が入るようになった。その理由は親が小皇帝(訳者注:一人っ子政策によって、原則一家庭に一人だけの、過保護に育てられた子供のことを指す)には出費を惜しまないから。子供市場は非常に利益の大きな市場だと思う」と話している。(翻訳・編集/HA)

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