中国の省トップが次々にファーウェイを視察、「発展を断固支持」などと発言

Record China    2018年12月16日(日) 22時0分

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中国の湖南・江西・雲南省の3省トップが続けて華為技術を視察し「断固として支持する」などと述べた。

中国メディアの新浪網は15日、湖南省、江西省、雲南省の共産党委員会書記らが11日から14日にかけて広東省深セン市に本部を置く華為技術(ファーウェイ)関連企業を視察したと紹介する記事を掲載した。各書記は「断固として支持する」などと述べたという。

中国では省や市など行政区画ごとに共産党委員会が設けられている。共産党委員会は該当地域の行政・立法・司法などすべてを指導する立場で、委員会トップの書記は地方政府トップの省長などより立場が上の「省トップ」ということになる。

11日には共産党湖南省委員会の杜家毫書記が、華為軟件(ファーウェイ・ソフトウェア)長沙分部を訪れ、湖南省における最近の業務の進展を聴取した。12日と13日には江西省委員会の劉奇書記が同省鷹潭市にある華為技術の傘下企業を訪れ、同省における華為技術の発展状況の説明を受けた。

13日と14日には、先進的な改革開放の状況を視察するために広東省を訪れた共産党雲南省委員会の陳豪書記と同省阮成発省長らが複数の華為技術関連企業を訪れた。陳書記と阮省長は雲南省玉渓市のスマート都市建設についての同市と華為側の協力合意書の締結式にも立ち会った。

いずれの省の省委員会書記も視察に際して、「華為の発展を断固として支持する」「華為は中国の誇りだ。中華民族の誇りだ」などと発言した。

華為技術はこのところ、「安全問題」などを理由にニュージーランド、オーストラリア英国、日本などの政府が華為製品の採用を見合わせることを表明し、12月1日には同社の孟晩舟(モン・ワンジョウ)副会長兼最高財務責任者(CFO)が米国の要請を受けたカナダ当局により同国内で逮捕される(13日に保釈)など、国際的に苦境に立っている。記事は直接触れていないが、複数の省トップが立て続けに華為関連企業を訪れたことは、中国が「華為技術を支援する」との国の意思を示したものと解釈できる。

中国を代表する通信設備や通信機器関連会社が国際的な「バッシング」を受けたのは、華為技術が初めてではない。華為技術と並んで通信設備や通信機器の製造で中国を代表する中興通訊(ZTE)は米国政府から2016年にイラン政府系通信会社や北朝鮮に禁輸措置品を売却した指摘され、10億ドルの罰金支払いや社内コンプライアンス教育実施の司法取引を受け入れざるを得なくなった。

米国政府は2018年になり、ZTEが司法取引の一部を実施していなかったとして、米国企業の同社製品販売を7年間禁止すると発表した。同社の経営は混乱し、同年8月には近日中に経営破綻するとの噂も出た。日本企業にもZTEの混乱の影響が及んだ。ZTEの傘下企業と合弁会社設立を進めていたラクオリア製薬は10月12日、ZTE側の動きが遅れ資金調達も困難になったとして、合弁会社設立を断念したと発表した。

中国当局はZTEの事例も考え合わせ、華為の問題への対策をより迅速かつより積極的に進める可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人

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