台湾の過去最高の防衛予算、中国が「激しい行動」に出る可能性―米華字メディア

Record China    2020年8月31日(月) 15時40分

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31日、米華字メディアの多維新聞は、来年度の台湾の防衛予算が過去最高になることに対し、中国が「激しい行動」をとる可能性があると伝えた。写真は台湾総統府。

2020年8月31日、米華字メディアの多維新聞は、来年度の台湾の防衛予算が過去最高になることに対し、中国が「激しい行動」をとる可能性があると伝えた。

記事は、「香港問題に対する中国政府の対応は、台湾の人々に対して中国共産党に対する恐怖と不満を深めさせることになった」と分析。さらに中国は先日、台湾海峡で軍事演習を行っており、このため蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、8月に過去最高の防衛予算を発表し、米国やその他の民主国家との安全面での協力強化を約束することになったと伝えた。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、台湾の防衛予算は今年度と比べ10%増で、1990年代以降最高レベルになるという。蔡総統はオーストラリア戦略政策研究所主催のフォーラムで演説し、「香港に続き、台湾が自由と民主の最前線となっている。台湾が防衛を強化しているのは、現在の情勢から見て実力と抑止は相関性があるからだ」と述べている。

その上で記事は、台湾地区での軍事的緊張が最近高まっていると指摘。中国人民解放軍はこのほど台湾海峡で軍事演習を行ったが、「中国軍側はこれを米国と台湾に対する警告としている」と伝えた。さらに中国は米国が偵察機を飛ばしたことについても非難したが、米国防省は中国軍が南シナ海で弾道ミサイルを発射したことを非難している。

さらに、「中国は習近平(シー・ジンピン)主席の指導の下、経済面と軍事面で台湾政府に対する圧力を高めている」と記事は指摘。習氏は中国周辺でのコントロールを強化しているほか、台湾統一の目標を無期限に伸ばすことはできないと宣言していると伝えた。

こうした点を踏まえてニューヨーク・タイムズは、「中国は台湾、南シナ海、あるいはその他の地域で激しい行動に出る可能性がある」と分析。蔡総統が今年1月に台湾の主権を守るとして再選して以降、中国は警告の強度を高めていると指摘した。ランド研究所のデレク・グロスマン上級防衛アナリストは、「台湾海峡で武力衝突が発生するリスク性は低いが、(その可能性は)上昇してきている」との見方を示した。

また、駐米台北経済文化代表処の蕭美琴(シャオ・メイチン)代表は12日、台湾は米国と機雷と巡航ミサイルの購入について交渉していることを明らかにしたと記事は紹介。米国による台湾への武器売却について、中国は何度も反対を表明しており、売却した場合には相応の報復措置をとると警告している。そして中国は、「台湾は不可分の領土であり、国家の主権と完全な領土を守る決意である」ことを強調していると記事は伝えた。(翻訳・編集/山中)

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