「独身の日」で盛り上がる中国、その背景は?―中国メディア

Record China    2012年11月13日(火) 10時4分

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11日、1が4つ並ぶこの日は中国の「独身の日」。「独身脱出」や「剰女(売れ残った女性)脱出」などのフレーズがネット上などにあふれた。写真は安徽省合肥市で行われた男女の出会いをテーマとしたイベント。

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2012年11月11日、1が4つ並ぶこの日は中国の「独身の日」。「独身脱出」や「剰女(売れ残った女性)脱出」などのフレーズがネット上などにあふれた。今年はeコマース(電子商取引)も「シングルデー」特需に沸いており、中国の大手eコマース「天猫(Tmall)」は同日午後の時点で、総取引額100億元(約1200億円)を突破。まさに「書き入れ時」となった。中国紙・広州日報が伝えた。

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取引額1200億円の記録に、独身向け市場にはこれほどの消費潜在能力があるのかと驚かされる。「シングルデー」がこれほどまでに消費を刺激した理由は定かではない。しかし、これを機に、中国社会工作協会結婚仲介業委員会と大手出会い系サイト「百合網」が今年1月、共同で発表した「中国人の結婚・恋愛状況調査報告」に再び注目が集まっている。

同報告によると、中国の女性の約7割が「マイホームを持っている男性としか結婚しない」、約8割が「月収4000元(約4万8000円)以上の男性としか恋愛はしない」と答えている。同調査は中国の「男は誤った事業に関わるのを恐れ、女は悪い男に嫁ぐのを恐れる」という伝統的な観念が、今でも根強く残っていることを物語っている。この機会に、独身者が抱えているプレッシャーや現代の人々の恋愛や結婚に対する姿勢を再吟味してみるのはどうだろうか。

中国で以前、「光棍」は独身男性のみを指していたが、近年「剰女」と言う言葉が流行するようになってからは、独身の男女両方を指すようになった。表面的には男女の地位が平等になったように思われる。ただ、1978年以降「一人っ子政策」を進めてきた中国では今、男女人口比率のバランスが大きく崩れ、女性が「甲斐性ある男性」を選ぶ社会に突入。男性が「独身脱出」するのは容易でなくなっている。女性が恋愛の最低条件に月收4000元以上、マイホームを突き付ける現状を見ると、ある専門家が「中国の不動産高騰は女性の母親の仕業」と言うのもうなずける。このような条件がある限り、今では1億8000万人と言われる中国の独身男女の数は今後も増え続けるだろう。データによると、11年、中国全土の農村部住民の平均純年収は6977元(約8万4000円)にとどまり、都市・小都市部の住民でも平均総年收2万3979元(約28万8000円)程度。このような状況では、多くの男女が結婚、ひいては恋愛さえできない。

しかし、家族などからの圧力で仕方なく結婚する人もいるものの、結局のところ、「独身」の道を選ぶか否かは、個人の問題で、他人が口出しすることではない。また、現在、恋愛や結婚は少しずつ世俗化、物質化していることは、周知の事実となっている。テレビでは、出会ってすぐに付き合い始める「ファーストフード式恋愛」が美しく描かれ、家族や友人らの圧力で毎日のように「見合い」をさせられる独身者。さらに先月うわさになった、不動産ディベロッパー中国最大手「万科」の王石(ワン・シー)会長(61)と30歳年下の若手女優の「年の差恋愛」。2011年、10億元(約120億円)といわれる財産と家庭、地位などすべてを捨てて、15歳年下の女性と駆け落ちすると宣言した王功権(ワン・ゴンチュエン)氏。かつては、夢と希望に満ちていたラブストーリーも今では、遠いおとぎ話の世界のものとなっている。

「独身」を商売道具に使っている商業界を批判する前に、現実の社会の中で、われわれは「愛や結婚の本当の意義を忘れてしまってはいないか」自問すべきなのかもしれない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/内山)

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