台湾で「2019年に新型中距離ミサイル量産」の報道=中国メディア警戒「北京にも三峡ダムにも届く」

Record China    2018年11月1日(木) 8時10分

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中国メディアの環球時報は31日、「台湾メディア:台湾軍が中距離ミサイル『復活』へ、北京と三峡ダム攻撃が可能」と題する記事を発表した。

中国メディアの新浪網は31日、「台湾メディア:台湾軍が中距離ミサイル『復活』へ、北京と三峡ダム攻撃が可能」と題する記事を掲載した。台湾では今のところ、関係機関が否定したとの続報があったが、「軍事的にわが方が圧倒的に優勢」との論調が一般的な中国大陸でも、台湾のミサイルに対しては強い警戒心があるようだ。

問題のミサイルは「雲嶺」中距離ミサイル。実態は明らかでない部分が多いが、李登輝総統時代(1990~2000年)に開発が始まり発射試験にも成功して量産段階に入ったが、馬英九総統(在任:2008~2016年)が中国との関係を考慮してストップさせたとされている。

速度はマッハ3で射程は1200~2000キロメートルとされる。同ミサイルは固体燃料式で、発射の直前まで隠匿することが可能。そのため、中国側に先制攻撃されても高い確率で温存でき、中国大陸部に対する反撃が可能とされる。

台湾側実効支配地域から、中国の首都である北京の攻撃も可能。もちろん、上海など沿岸部の経済先進地域の多くが射程圏に入る。さらに、湖北省にある三峡ダムを破壊すれば、一気に流れる水により、下流の農業地域も壊滅的な損害を受けることになる。

少なくとも現状では、台湾側から対中軍事行動を起こすとは考えられず、同ミサイルは仮に配備されるとしても、中国の動きをけん制するための抑止目的と理解してよい。しかし中国側にすれば、台湾が同ミサイルを量産・配備すること自体が大きな脅威だ。

台湾メディアの聯合新聞網は30日、蔡英文が2019年に「雲嶺」の量産を開始する計画を定めたと報じた。ナビゲーション用ソフトや移動発射車開発にも予算を投じ、2020年末にはその他の防衛作戦と統合し、まずは台湾北部と中部に15~20発を配備するとした。

ただし、台湾メディアの自由時報によると、同ミサイルの開発を手掛けてきたとされる国家中山科学研究院(中科院)は、研究院として「雲嶺の名を持つ案件もミサイルシステムの案件ももともとない」と、聯合新聞網の報道を根本部分から否定。さらに「事実ではいことは明らかなので論評もしない」と説明したという。

環球時報は、中科院が「雲嶺」の量産などを完全否定したことも紹介した上で、これまでの報道を紹介。「雲嶺」は台湾にとって最高機密であり、当初計画では最終的に500発の配備を目標と見られていたことや、蔡英文政権も「雲嶺」を封印してきたことについて、大陸と台湾が戦争になった場合でも、核兵器保有の意思がない台湾がミサイルで北京や上海を攻撃しても戦局を打開する効果は望めないことや、大陸沿岸部を攻撃するならば、すでに量産している「雄風2」が能力を有することなどを挙げた。(翻訳・編集/如月隼人

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