野良猫が晴れて「公務ニャン」に、職務は役場のネズミ捕りや調停作業の円滑化―重慶市

Record China    2018年10月28日(日) 15時20分

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中国では、重慶市九龍坡区の楊家坪工商所に住み着いた猫が「公務猫」になったなどとして評判だ。

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中国では、重慶市九龍坡区の楊家坪工商所に住み着いた猫が「公務猫」になったなどとして評判だ。以前は書類がネズミにかじられる被害が発生したが、猫の存在でめっきり減った。持ち込まれる調停などの際にも、甘えるなどかわいい仕草で雰囲気がなごやかになり、効率が上がったという。中国メディアの新浪網などが報じた。

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「小黄(シャオホアン)」と呼ばれている。元は飼い主が分からない野良猫だった。「小黄」が有名になったのは、8月に一部メディアで報じられたからだった。その他の職員と同格の「公務猫」になったとされたことで、「役場で公費で猫を飼うのはいかがなものか」との議論も発生したという。

楊家坪工商所の李所長は「公務猫というのは、実際には誤解」と説明。中国各地では「工商所」という役場の名称が「市場管理監督局」に変更されつつある。そこで職員が、「工商所」として活動した歴史を残そうと内部用パンフレットを作った。その際、職員一同と共にかわいがられている「小黄」も載せた。そのパンフレットが広く知られるようになり「公務猫」として評判になったという。

「小黄」の長所のひとつは盗み食いをしないことだ。職員が与える残飯を食べている。自腹でキャットフードを買ってきて与える職員もいる。だから、公費を使って飼っているわけではないという。

職員のひとりが2年前に見つけて持ってきた。以来、「小黄」は役所に住み着くようになった。ほどなくして、「小黄」はネズミを捕るのがとても上手であることが分かった。楊家坪工商所があるのは繁華街で、近くには飲食店も多い。飲食店から残飯が出るので、ネズミがとても多い地域という。工商所でも、書類がネズミにかじられる被害がしばしば発生していた。

「小黄」が来てからは、ネズミによる被害がめっきり減った。「小黄」はネズミを好んで捕まえるだけでなく、人に自分の「戦果」を見せるという。週末には「小黄」だけが工商所に残ることになるが、月曜日になり職員が出勤すると、「小黄」が捕らえたネズミが置かれているという。

なお、工商所では「小黄」を買うことを決定した際には、病気がないか健康診断を受けさせ、必要な予防接種も済ませ、不妊手術も受けさせるなど、飼い主としての責任は果たしているという。

「小黄」の職務のうち、ネズミを捕ることの次に大切なのが「調停」の円滑化だ。工商所には商品やサービスなどを巡るトラブルが持ち込まれる。工商所は双方の言い分を聞いて和解案を示すわけだが、消費者側と売り手が感情的になることも珍しくない。

双方が大声を上げはじめると「小黄」は決まってやってきて、激昂している人の足を抱いて甘えるという。あまりにもかわいい仕草に怒っていることもできなくなり、冷静さを取り戻す。そのため、調停の仕事の効率が上がったという。

もちろん、周囲の職員にも同様のことをする。李所長は「私は軍人の出身で、他の職員と議論する際に、つい、声を荒げたりするのです。そんな時、『小黄』は私の足にじゃれつきます。それで、私もはっと気づくのです。相手を上手に説得せねばならない、怒ってはならない、とね」と説明した。

李所長は「公務猫ではない」と説明したが、「小黄」はしっかりと「公務ニャン」としての職責を果たしているようだ。(翻訳・編集/如月隼人

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