秋の風物詩「月餅」、“楽しみな美味”から“形式上の贈答品”に―シンガポール華字紙

Record China    2012年10月1日(月) 16時49分

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29日、「本来はおいしく味わう食べ物の月餅が、近年ではすっかり形式的なの贈り物になってしまっている」とシンガポール華字紙が伝えた。写真は2012年9月、山東省煙台市で発売された黄金製の月餅。もはや食べ物ですらない。

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2012年9月29日、参考消息網によれば、シンガポール華字紙・聯合早報が「本来はおいしく味わう食べ物の月餅が、近年ではすっかり形式的なの贈り物になってしまっている」と伝えた。9月30日は、多くの人々が月餅を贈り合う中秋節だった。

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月餅は唐代あるいは宋代に生まれたとされ、その満月をかたどった形から、中秋の名月に味わうお菓子となった。多くの砂糖とラードを使っており、物資が不足していた時代には特別な栄養源として喜ばれ、年に一度しか食べられない楽しみなお菓子であった。豊かさ、円満、団らん、平穏といったイメージを持っており、これを人に贈ることは「皆で楽しもう」という中国の文化的一面をあらわしているともされる。

しかし、現代では人々のお腹は満たされ、栄養面の問題もほぼなくなった。すると、月餅を人に贈る風習は別の意味を持つようになった。また、高カロリー、高脂肪の月餅は生活習慣病をはじめとする多くの病気を誘発する原因のひとつとして敬遠されるようになった。

また、北京市では中秋節直前の9月最終週、月餅の贈答のために外出する人が増えたことで深刻な交通渋滞が発生したほど。こうした傾向は中国全土でも見られるという。その陰では、月餅を隠れ蓑にして賄賂や金品のやりとりも行われるケースが増加している。

その結果、多くの人が月餅を買って贈りあうにもかかわらず、もらった月餅を食べる人はそれほど多くなく、大量の月餅が廃棄されるようになってしまった。全国の食品メーカー4000〜5000社、飲食店やホテル4000〜5000店が1シーズンに売り出す月餅は、2009年の統計で25万トン、売り上げにして120億元だという。(翻訳・編集/岡田)

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