息子の遺体を冷凍庫に6年間、その死を受け入れられない父親の悲痛―重慶市

Record China    2012年9月27日(木) 13時38分

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26日、重慶市のある村に6年前に亡くなった息子の遺体を自宅の冷凍庫に保存して一緒に暮らしている夫婦が住んでいる。そうすることで生きていけると父親は話すのだが…。

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2012年9月26日、6年前に病気で亡くなった息子の死が受け入れられず、その遺体を自宅の冷凍庫に保存して一緒に暮らしている夫婦が重慶市の村に住んでいる。重慶晨報が伝えた。

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重慶市開県豊楽街道黄陵村に住む田学明(ティエン・シュエミン)さんは腕のいい大工だった。若い頃は出稼ぎに出ていたが、結婚して娘と息子が生まれてからは出稼ぎをやめて村で働くようになった。1996年には4万元(約50万円)で3階建ての自宅を新築。「このころが人生で最も幸せな時間だった」と田さんは話す。

しかし、その翌年、元気だった15歳の娘が熱中症であっけなく死亡。その悲しみからなかなか抜け出せずにいた田さんだったが、1人残った息子を心の支えにすることで、なんとか生きてこられたという。2005年、その息子が大学に合格。生まれて初めて故郷を離れる妻と一緒に息子の大学入学を見届けた。2006年3月、その息子から「1カ月も高熱が続いているから、家に帰る」との電話。戻ってきた息子を連れて行った病院で医師から告げられたのは「末期の白血病。もう手遅れです」だった。

同年7月7日、最愛の息子は18歳でこの世を去った。その現実を受け入れることのできない田さんは、その遺体を埋葬せずにそばに置いておこうと妻を説得。息子の遺体を自宅にあった大型冷凍庫に入れた。事情を知っている友人や近所の人は早く埋葬するよう田さんに忠告したが、「埋葬するとなると遺体を焼かなければならない。焼いたら息子はいなくなる」と反論。そして6年が過ぎたという。

「こうしておけば息子はまだ生きているみたいだろ?眠ってるだけなんだ。そう思っていれば私も生きていけるような気がする」と話す田さんだが、自分の行為が正しいことではないこともきちんと理解している。田さんは「いつか私や妻が年をとって動けなくなったら埋葬する。それまではずっと息子を見守っていくつもりだ」と語った。(翻訳・編集/本郷)

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