Record China 2018年8月23日(木) 6時50分
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韓国政府が開城工業団地の南北共同連絡事務所の開設のために、国連安全保障理事会が禁輸品目に指定した精油製品約80トンを北朝鮮に搬出していたことが分かった。写真は南北境界の板門店。
韓国政府が開城工業団地の南北共同連絡事務所の開設のために、国連安全保障理事会が禁輸品目に指定した精油製品約80トンを北朝鮮に搬出していたことが分かった。22日付の韓国・中央日報が伝えた。
21日、国会外交統一委員会幹事で自由韓国党の鄭亮碩(チャン・ヤンソク)議員が関税庁などから入手した資料によると、6~7月に石油と軽油8万2918キログラムが北朝鮮に搬出されたという。金額は約1億300万ウォン(約1010万円)相当だ。このうち、再び韓国側に搬入された量は1095キログラムで100万ウォン(約9万8000円)相当だった。
昨年12月に採択された国連安保理決議2397号では、北朝鮮への原油を除く石油・れき青油の搬入が禁止されている。この決議では、精油製品の販売、供給だけでなく、移転も制裁違反に該当する。なお、民生目的などに限り、北朝鮮に供給することができる精油製品は、その上限を500万バレルとしているが、米国などは、北朝鮮が今年上半期の時点ですでにその上限以上の精油製品を受け取っていると見ているという。
韓国政府当局者はこれに対して、「開城に送られた物資は、北朝鮮に滞在するわれわれ韓国側の人員が使用するので制裁対象ではない。北朝鮮へ経済的利益は与えない」と説明した。しかし、鄭亮碩議員は「韓国側の人員が使うとしても、連絡事務所が北朝鮮にあるので問題だ」とし、「制裁関連の協議が終わる前に、執行を先走ったものだ」と指摘した。
米国務省も19日、「南北関係の改善は、必ず非核化の進展と正確に歩調を合わせて行わなければならない」と警告した。
一方の北朝鮮は、開城共同連絡事務所の開設を口実に制裁を解除するよう韓国政府に迫っている。北朝鮮の対韓国宣伝媒体「わが民族同士」は12日、「(板門店宣言が履行されない原因は)米国の対朝鮮(北朝鮮)制裁策動とそれに便乗した南側の不当な仕打ちにある」とし、「共同連絡事務所の作業に必要な数キロワット容量の発電機の持ち込みさえ思うように決心できずにいる」と主張した。
これについて韓国ネットでは、「金正恩(キム・ジョンウン)への朝貢か?」「これは明らかな制裁決議違反だ。野党は国会で厳しく追究するべき」「文在寅(ムン・ジェイン)政権は自国の国民よりも北朝鮮の人民を大切にしているようだ」「政府が就職率を上げると言って集めた国民の血税は、実際には北朝鮮に渡っていたのか」「マスコミに隠していた理由は何だ?いけないことだと分かっててやったんじゃないのか?」「北の独裁政権は崩壊しましたか?非核化は達成されましたか?それなのに石油支援とは。わが国は世界の恥だ」と、韓国政府への厳しい非難の声が寄せられている。(翻訳・編集/右田)
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