「台湾」名で東京五輪出場へ署名活動、中国の反発にも「不可能を可能にしよう」と市民団体

Record China    2018年8月4日(土) 20時0分

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東京五輪に「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」名での出場を目指す署名活動が台湾で始まっている。中国の反発で実現は困難だが、活動を進めている市民団体は「不可能を可能にしよう」と呼び掛けている。

2020年の東京五輪に「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」名での出場を目指す署名活動が台湾で進行している。「台湾独立」を警戒する中国の反発は必至で、実現のハードルは高そうだ。それでも活動に進めている市民団体は「不可能を可能にしよう」と呼び掛けている。

台湾メディアによると、署名活動を始めたのは元陸上選手の紀政氏ら。紀氏は自身が出場した1960年のローマ五輪、1964年の東京五輪、1968年のメキシコ五輪では代表チームの呼称に「台湾」(1960年は「フォルモサ」)が使われたとして、「当時、私たちの国は台湾だった」と強調した。紀氏は日本でも署名活動が行われていることに触れ、「他の人が努力してくれているのに、私たちは何もせずにいていいのか」とも訴えている。

教育部(教育省)体育署の前身、行政院(内閣)体育委員会の主任委員を務めた許義雄氏や楊忠和氏らも署名活動に参加。許氏は現状では難しいとしがらも、「不可能を可能にしよう」と意気込んでいる。

署名活動は台湾の「公民投票法」の手順で行われている。「台湾」名での五輪参加申請への賛否を問う公民投票の立案に必要なのは、有権者の1.5%に当たる28万1745人分。これを上回る約35万人の署名集めるのが8月末までの目標だ。中央選挙委員会による審査もすでに通過しているという。

「台湾は中国の不可分の領土であり、中国は一つしかない」と主張する大陸側は、署名活動を問題視。来年8月に中部・台中市で開催予定だった国際スポーツ大会「東アジアユースゲームズ」が中止に追い込まれた。署名活動が進めば、反発がいっそう強まることも予想される。

署名活動をめぐり、台湾メディアのインタビューに応じた頼清徳行政院長(首相)は「台湾社会にも公的な場で使われる呼称を『台湾』にすることを望む勢力が存在する」と言及。一方で、1981年に台湾の中華オリンピック委員会と国際オリンピック委員会(IOC)の間で、五輪参加時の名称を「チャイニーズタイペイ」とすることで合意が得られた経緯もあり、「さらなる努力が必要」との考えも示した。

頼氏は「台湾の今日の苦境は過去の国民党政権が残したものだ」とも指摘。国連脱退を例に挙げ、「米国をはじめ西側諸国は中国を国連に加盟させても、台湾がとどまることを望んでいたにもかかわらず、当時の蒋介石総統は『漢賊不両立』(漢・国民党と賊・共産党は両立しない)と考え、かたくなに国連を脱退した」と述べ、「大きな誤りのタネになった」と批判した。(編集/日向)

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