Record China 2018年7月28日(土) 5時50分
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米中貿易戦争が本格化しつつある中、米誌は「裏ワザの超法規的報復を中国がもくろむ」と伝えている。米国製品と企業の非公式ボイコットなどを挙げ、中国国内のスターバックスが標的になる可能性もあるとみている。写真は北京市。
2018年7月27日、米中貿易戦争が本格化しつつある中、米誌は「裏ワザの超法規的報復を中国がもくろむ」と伝えている。そもそも米国からの輸入額が輸出額に比べて少なく、同等の報復関税には限界があるためだ。米国製品と企業の非公式ボイコットなどを例示。中国国内のスターバックスが標的になる可能性もあるとみている。
トランプ政権は6日、中国による知的財産権侵害を理由として818品目、約340億ドル(約3兆7400億円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す制裁を発動した。これに対し、中国は即座に同規模の報復関税を実施。トランプ政権は11日、新たに2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に10%の関税をかける追加リストを公表した。
中国税関総署が今年1月に発表した2017年通年の貿易統計(ドルベース)によると、対米貿易は輸出が前年比12%増の4297億ドル(約47兆2670億円)、輸入が同15%増の1539億ドル(約16兆9290億円)。トランプ政権が2000億ドル分の課税に踏み切った場合、同等の報復はしたくてもできない計算だ。こうした事情からか中国商務部は「量的かつ質的な措置で反撃」とするにとどまっている。
この質的措置について、米誌ニュースウィークは「意味するところは、いまひとつはっきりしない。そこで参考になりそうなのが、中国が近年、自らの要求を諸外国に押し付けるために取ってきた五つの措置だ」と報道。「輸出入品の通関を遅らせること」「工場や小売りチェーンを展開する米企業に対する締め付け」「事業免許制度を通じた営業妨害」「海外旅行の規制」「米国製品と企業の非公式ボイコット」を挙げている。
「締め付け」に関しては「韓国政府が中国の反対を押し切ってTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を決めると、用地を提供したロッテグループの系列の中国にあるロッテマート約90店舗が、防火基準違反の恐れがあるとして一時閉店に追い込まれた」と説明。「現在中国に展開しているウォルマート20店舗も同じような運命をたどるかもしれない。フォードやゼネラル・モーターズ(GM)といった自動車メーカーの工場も標的になり得る」と警戒している。
「ボイコット」では2012年の日本との尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる領有権争いに言及。「中国政府は国営メディアを通じて日本企業のボイコットを一般市民にそそのかした。この結果、多くの日系商業施設、工場、企業が大きなダメージを受けた。同じ手法が米企業に対しても取られれば、中国の消費者は国内に3300店舗あるスターバックスを避けたり、iPhoneではなく小米(シャオミ)科技のスマートフォンを買ったりするようになるかもしれない」と危惧している。
一方、米ブルームバーグ通信も同様に「消費者に(米国製品の)不買運動を促したりすることもあり得る」と予測。さらに「可能性は低いが、最後の禁じ手は保有する米国債の一部放出」も対抗手段として想定できるとしている。中国は外国勢の米国債保有額で首位の座を維持。昨年12月時点の保有額は1兆1800億ドル(約130兆円)に上る。(編集/日向)
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