人民網日本語版 2018年7月25日(水) 7時20分
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米国の一連の動きにより、日本は打撃を受けて対処に困っている。エネルギーや資源の多くが輸入に頼る日本にとってイラン産原油は不可欠のもので、イランとの経済貿易関係を維持しつつも、同盟国・米国に逆らうこともできず、日本政府は難しい選択を迫られている。資料写真。
米国のトランプ大統領はこのほど、イランの原油輸出に対する制裁措置を11月初めに開始すると宣言した。その後のメディアの報道によると、ムニューシン米財務長官が、「イラン産原油を輸入する国に対して一定の制裁免除を検討する」と述べたため、一時は緊張ムードが緩和したが、ポンペオ米国務長官はこのほど、「米国はイランの原油輸出をゼロにする」と強硬な態度を再び表明した。米国の一連の動きにより、長年にわたるイランの友好国の日本は打撃を受けて対処に困っている。エネルギーや資源の多くが輸入に頼る日本にとってイラン産原油は不可欠のもので、イランとの経済貿易関係を維持しつつも、同盟国・米国に逆らうこともできず、日本政府は難しい選択を迫られている。経済日報が伝えた。
日本はエネルギーを主に輸入に依存している。経済産業省・資源エネルギー庁がまとめた最新のデータでは、2016年の日本のエネルギー自給率はわずか8.3%で、主な内訳は水力発電、原子力発電、再生可能エネルギーだ。つまりエネルギーの91.7%が輸入頼みだということだ。日本の一次エネルギーの割合をみると、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料が総消費量の89%を占め、このうち石油は39.7%に達する。日本の石油輸入源をみると、16年の輸入量12億3000万バレルのうち、イランが6.7%を占めたが、05年の15%と比べると低下している。とはいえ、イランはなおサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールなどに続く、日本にとって5番目の輸入源だ。
イランは世界の主要なエネルギー大国で、原油埋蔵量は世界4位だ。イランからの石油輸入を維持するため、日本は長年にわたりイランと友好関係を保ち、1970年代と80年代には円借款の提供やビザ相互免除協定の締結が行われた。いずれもイラン産原油の日本への供給の安定を確保するのが狙いだった。2000年にはイラン大統領の初訪日が実現し、日本が中東最大の油田・アザデガン油田で最大の採掘権を得たこともあった。近年は国連総会の場で、日本とイランの指導者が毎年会談を行い、特に15年7月にイラン核協議が最終合意に至ると、日本は再びイランの原油開発のチャンスを得て、両国の経済貿易関係はますます密接になり、イラン側も日本との経済協力、技術協力をさらに拡大することを希望し、こうしたことから「石油友好」の一端がうかがえた。
だが今年5月、トランプ政権がイラン核合意から離脱するとともに、イランと石油取引のある国への制裁をちらつかせると、日本の進退は窮まった。6月に東京で行われた日米両政府の外務省局長級協議で、米国は日本にイラン制裁に加わるよう明確に要求した。菅義偉官房長官は記者会見で、「日本はイラン核合意を支持すると同時に、イラン産原油の取引停止が日本企業に悪影響を及ぼさないよう、米国が日本に寛大な態度で臨み、少なくともイランとの石油取引への制裁措置を延期することを願う」と述べた。日本メディアの報道によると、インドが12年にルピーによりイランとの石油取引を決済したケースがあり、長年にわたって円の国際化を進めてきた日本政府が円建て決済を行う可能性も否定できないという。だが米国ににどのように「申し開き」をするのか、日本は難しい選択を迫られている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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