自転車で世界一周の日本人青年、盗難事件のその後を語る―中国紙

Record China    2012年5月31日(木) 19時58分

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31日、自転車で世界一周旅行中の日本人の青年が滞在先の中国で自転車を盗まれ、これに同情した多くの中国人が一致協力したことで無事に自転車が戻ってきたという心温まるストーリーに、後日談が報じられた。写真は自転車を取り戻した青年。

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2012年5月31日、自転車で世界一周旅行中の日本人の青年が滞在先の中国で自転車を盗まれ、これに同情した多くの中国人が一致協力したことで無事に自転車が戻ってきたという心温まるストーリーに、後日談が報じられた。青年が中国メディアのインタビューに応え、旅の目的や感想について話した。都市快報の報道。

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27歳の青年は2011年11月、船で上海に渡航。高齢者養護施設でボランティアを行ったり、現地の若者に日本語を教えたりしながら今年の2月、内陸・湖北省の武漢市にたどり着いた。ある日、地元の若者とともに市内の繁華街に出かけた際、駐輪場のすぐ近くに停めた自転車が盗まれてしまう(※注:駐輪場は当時、満車だった)。このニュースを知った中国人たちが、インターネットを通じて大規模に呼び掛け、武漢市民5万人以上が自転車を一斉捜索。自転車は3日後に発見され、持ち主のもとに返った。

現在、浙江省杭州市に滞在中の青年に地元紙が取材を行った。記事では青年を「寡黙だがよく『ありがとう』を言う青年。常に純真な笑顔を浮かべている」と形容した。騒動後、現在も多くのメディアから取材の要請があるというが、杭州市でも複数の学校で講演を行う予定。

4〜6年以内に全行程を走り抜ける目標を持つこの青年は、旅を通じて世界各地でボランティア活動を行うことが大きな目的。看護士としての経験を生かし、衛生条件の劣悪な地域で力を発揮したいそうだ。また、東日本大震災の際に、愛の手を差し伸べてくれた世界の人々に感謝を伝えたいという。かくして、震災の被災地でしばらく復興活動のボランティアに参加したのち、病院での仕事をやめて旅に出た。彼の愛車には現在、中国語で「加油日本、謝謝中国(がんばれ日本、ありがとう中国)」と書かれたステッカーが貼りつけられている。

資金に乏しい彼は移動手段に自転車を選び、現地の市民の家にホームステイすることで宿泊費をカットしている。「旅の90%はみなさんのご好意で成り立っている」と話すゆえんだ。また、自転車は列車やバスでも到達できないへき地に彼を連れて行ってくれる。「へき地の人ほど、医療的な援助を必要としていますから」。彼が背負っている70キロの荷物は、ほとんどが薬品や医療用品だという。

話題となった盗難事件について、「外国人だから注目され、自転車が返ってきたんだろう」というやっかみの声も一部聞かれた。これについて、青年は「警察も万能ではない。彼らを責めないでほしい」としたうえで、「中国には面子(メンツ)という概念があるから」と回答した。つまり、武漢市民にとって「外国人旅行者が武漢市内で盗難に遭った」という事実は、面子丸つぶれの事態である。それを挽回するべく、多くの人が行動したのだとしたら、「面子という概念は悪くない。人に恥ずべきことはできないという考えが、たゆまぬ努力を生むからだ」と彼は答えた。ただ、道中で外国人ならではの“特別待遇”を受けた経験も少なくないという。「中国人同士、もっと親切に助け合ったらいいと思います」とも話した。(翻訳・編集/愛玉)

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