人民網日本語版 2018年6月15日(金) 10時0分
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4年に1度のFIFAワールドカップが14日、ロシアで開幕。中国企業がワールドカップ特需に沸いている。写真はザリガニ。
4年に1度のFIFAワールドカップが14日、ロシアで開幕。中国企業がワールドカップ特需に沸いている。新華社が伝えた。
浙江省杭州市蕭山区にあるオフィスビルで働く李智佳(リー・ジージア)さんは現在、同僚らと非常に忙しい毎日を送っている。杭州孚徳品牌管理有限公司は2013年7月から、FIFAから公式ライセンスを取得し、ワールドカップのマスコットを製造、販売しているため、ワールドカップ開催が近づくと、超繁忙期となる。
「14年のワールドカップの時は、在庫が残ったが、倒産はしなかった」。
06年のワールドカップドイツ大会の公式マスコットの縫いぐるみやキーホルダーなどを製造・販売したドイツのニキ社は倒産した。そして、14年の時は、李さんが所属する市場部にとっても、完全に手探りの状態で、ニキ社の二の舞は避けることはできたものの、売れ残った商品は単なる在庫となってしまった。
しかし、孚徳にとって、FIFAとの初めての提携では収穫もあった。ワールドカップブラジル大会終了後、FIFAは四大会計事務所を派遣して孚徳を審査し、その結果に非常に満足し、さらに「2014ワールドカップブラジル大会特別貢献賞」を授与した。
その時、FIFAに好印象を残すことができたため、李さんによると、「18年ワールドカップロシア大会の入札の時、FIFAから連絡があり、入札に参加する予定はないかと聞かれ、優先交渉権を得た」という。
FIFAからマスコットの設計図を受け取ってから、孚徳は3カ月でぬいぐるみを作り上げた。
ブラジル大会の時は、5~6種類の商品の製造、販売ライセンスを得たのに対して、今回のロシア大会では、ぬいぐるみ、飴、テーブルサッカーゲーム、ゴールなど十数種類の商品のライセンスを得た。ブラジル大会の経験を踏まえて、在庫を減らすための計画も周到に立てた。「マスコットを作るのに必要な材料を分析し、注文量を基にそれを前もって準備した」と李さん。
ロシア大会では、孚徳のような「中国の要素」が他にもたくさんある。それらの中国企業はそれまでのOEMの製造方式を採用することはなく、ワールドカップを通して利益を上げるだけでなく、世界へ通じるドアも開いている。
ワールドカップが間もなく開幕するロシアでは、至る所で中国の要素を目にすることができる。
中国ブランド4社が、FIFAパートナーとFIFAワールドカップスポンサーの3分の1を占め、それにチームや選手をサポートする企業、さらに、中国産のザリガニ、メード・イン・チャイナのマスコット、記念硬貨などを含めると、大会開催期間中の飲食・娯楽のほぼ全てをカバーしている。
FIFAワールドカップスポンサーの中国の電機メーカー・海信(ハイセンス)を例にすると、16年はUEFA欧州選手権のグローバルスポンサーとなり、56年に及ぶ同大会史上、中国企業として初のスポンサーとなった。そして今回は、100年近い歴史を誇るワールドカップ史上で初めて、スポンサーとなった中国のテレビメーカーとなった。
スポーツ大会のスポンサーとなっている背景に、海信の鮮明な戦略的意図がある。これは割に合うビジネスなのだ。
統計によると、16年のUEFA欧州選手権開催期間中だけでも、海信の世界における知名度は6ポイント上昇し、第2四半期(4-6月)の欧州市場における売り上げが65%増となった。フランスに至っては品切れの状態になり、スポーツマーケティングがもたらしたブランドプレミアムや長期的な影響が今なお続いている。
海信集団の責任者によると、スポーツの世界大会と世界のトップを走る電機メーカーには深い関係がある。海信が世界的なブランドになるためには、文化や国境を越えた超一流ブランドと関連付けなければならず、その超一流ブランドがスポーツの世界大会だ。そのため、スポーツマーケティングがブランドのグローバル化を進めたい海信の経営戦略となっている。
その他、ワールドカップは、超一流のスポーツ大会で、その試合を見る人は非常に多い。そして、中国とロシアの時差はわずか5時間であるため、多くの試合が中国のゴールデンタイムに開催され、スポーツマーケティングを通して、世界的なブランドに成長したいと考えている中国企業にとっては、ロシア大会の広告効果はまたとないチャンスとなる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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