中国が電気自動車に対する政策を変更、航続距離150km未満は補助金を撤廃

Record China    2018年6月15日(金) 0時0分

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中国政府は12日、1回の充電による航続距離が150キロメートル未満の電気自動車(EV)購入時の補助金を撤廃した。一方で、300キロメートル以上のEVに対しては増額した。

中国人民広播電台(中国人民ラジオ)は12日、中国政府が同日に電気自動車(EV)などへの補助金政策を変更したとして、解説記事を発表した。1回の充電による航続距離が150キロメートル未満のEVに対する補助金は撤廃された。

中国では、従来型のガソリンエンジンやディーゼルエンジン以外の動力で走行する自動車を新能源汽車(新エネルギー自動車)と呼んでいる。新能源汽車が指す自動車としては搭載した電池をエネルギー源とする電気自動車、搭載した燃料が発生する電力を用いる燃料電池車、従来型のエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車などとされているが、中国では電気自動車が他の種類よりかけ離れて重視されている。中国当局の補助金政策の変更は、高性能の電気自動車の普及を意図したものと考えられる。

12日の政策変更では、航続距離が150キロメートル未満の電気自動車購入の際の補助金が撤廃された。150~300キロメートルは従来比20%~50%の減額で、300キロメートル以上の場合は2%~14%の増額。

中国汽車工業協会(中国自動車工業協会)の発表によると、5月の新エネルギー乗用車販売台数は前年同月比で114.5%増だった。商業車は同192.7%増。同協会秘書補佐の許海東氏によると、商用車の販売台数が政策変更の影響を比較的強く受けるという。

一方で、情報ページ・電気自動車観察家の編集長である邱鍇俊氏は、メーカー側は電気自動車で大きな利益を出しているわけではないが、補助金の減額分を消費者の負担させることは避けるだろうと予測。その結果、メーカー側が生産販売量を増やして利益の総額を確保しようとする動きも考えられるという。

中国政府が電気自動車に力を入れている大きな理由は、従来タイプの自動車では技術力を蓄積し続けてきた外国のメーカーに対抗することは困難であることによる。スタートラインが近い電気自動車ならば、自国企業が外国メーカーに匹敵する性能の車を開発することは比較的容易との判断であり、もう一つの理由は、電気自動車が深刻な大気汚染を軽減する助けになることだ。

電気自動車の航続距離は走行条件によって大きく異なるが、米国テスラのロードスターは1000キロメートル程度を実現したとされる。日本企業では日産リーフが400キロメートルとされる。中国では、2014年11月に設立された蔚来(ウェイライ)社製のES8(写真)が500キロメートルを達成したと報じられた。(翻訳・編集/如月隼人

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