レアアースめぐる米欧日のWTO提訴、60日の期限過ぎる―中国メディア

Record China    2012年5月16日(水) 8時5分

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14日、米国、EU、日本は中国政府が不正にレアアースなどの輸出を規制しているとして、3月に世界貿易機関に提訴したが、中国側が60日以内に協議に応じなければ、米欧日は紛争処理小委員会の設置を求めることができる。写真は江西省のレアアース違法採掘現場。

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2012年5月14日、中国広播網によると、2カ月前の3月13日、米国、EU、日本は中国政府が不正にレアアース、タングステン、モリブデンの輸出を規制しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。WTOの規定によると、中国側が60日以内に協議に応じなければ、米欧日は紛争処理小委員会の設置を求めることができる。人民網日本語版が伝えた。

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中国のレアアース資源量は世界の3分の1強を占めるが、生産量では世界の9割以上に達する。中国は長期的に低価格のレアアースを提供し、過度な採掘により環境を深刻に破壊し、資源を消耗してきた。これに対応すべく、中国政府がこのほどレアアースの輸出割当制度を実施したところ、これまで中国の安いレアアースを利用してきた西側諸国が不満を表明しだした。米国、EU、日本による今回の提訴に対し、中国商務部はすでにコメントを発表している。

各国がWTOの提訴に踏み切った理由は何か?中国商務部条約法律司の李成鋼(リー・チョンガン)司長は中国中央人民放送局の番組「中国之声」の取材に答え、「米国大統領選挙の影響は否めない」とした。

振り返れば、WTOは今年初旬、中国が9種類の原材料に実施している輸出規制がWTOのルールに違反しているとの裁決を下した。さらに米国が世界の貿易を監視・調査するための組織「省庁間貿易執行センター」(ITEC)を立ち上げ、そして今回はWTO提訴だ。今年に入ってから様々な摩擦が起こっているが、これは中国・米国間の貿易戦争が一触即発であるということなのか?李司長はこれについて「貿易戦争が勃発する可能性が全くないとは言えないが、双方はこのような局面にうまく対処し、中米の経済貿易関係を安定的に発展させるという大局を維持するだけの知恵を持っているはずだ」とし、この見方を否定した。

国の関連部門の責任者は「中国のレアアース輸出政策は、ある特定の1カ国を対象としたものではなく、もちろん貿易保護が目的ではない。これは環境と資源を保護し、持続可能な発展・利用という目標を実現するためだ」とした。

アモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強(リン・ボーチアン)主任は「資源を保護し、持続可能な発展を実現するためには、原材料輸出に輸出割当制度を適用する必要がある」との見方を示した。(編集/TF)

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