Record China 2018年6月13日(水) 5時50分
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中国はUAEのドバイ近郊で海水稲と呼ばれる耐塩性の稲の栽培を進めている。将来的には同国国土の10%以上に作付面積を拡大する計画だ。中国国内でも海水稲の作付けが進められている。写真は青島海水稲研究発展センターの試験田。
中国メディアの参考消息網は11日、英国メディアを引用して、中国がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ口外で耐塩品種の水稲を栽培しており、将来的にはUAE国土の10%以上の面積に作付けを拡大すると報じた。
水稲栽培は通常、大量の淡水を必要とする。水資源に乏しいUAEなどでは従来、現実味のない農法のはずはずだった。しかし中国では1986年に広東省の海岸にある沼で、塩水の中で育つ野生の稲が発見されて以来、同品種を用いた交配を繰り返すなどで、生産性の高い耐塩性の稲の開発が続けられてきた。開発された品種は「海水稲」などとも呼ばれている。
ドバイ郊外での植え付けが行われたのは1月で、摂氏50度の最高気温や砂嵐にしばしば見舞われるなど苛酷な自然環境だったが、現在までに1ヘクタール当たり7.5トン以上の生産が見込めるようになった。
2018年末までには作付面積を100ヘクタールに拡大し、将来的にはUAE国土の10%以上に拡大する計画という。
「海水稲」の研究開発や普及の主力で、ドバイ近郊での栽培も担当したのは山東省にある青島海水稲研究発展センターだ。
同センターの張国棟(ジャン・グオドン)副主任によると、ベトナムやインド、スリランカなどとも海水稲の栽培協定を結びたいと検討している。中近東や北アフリカなどで「人の手による緑の大地」を出現させ、砂漠の生態環境を改善し、貧困や劣悪な自然環境の地域における飢餓問題を解決したいとの考えだ。
青島海水稲研究発展センターの設立は2016年12月。中国国内では海岸に近く土地が塩分を多く含む地域において、海水稲の作付面積を1年当たり約67万ヘクタール増やしていき、年間200万トンの食糧増産をめざす計画だ。
さらに中国内陸部で多い塩湖なども利用して、海水稲を栽培していく計画だ。中国では塩湖がたたえる水の量が淡水湖を上回っており、海水稲の作付けが可能な土地面積は1300万ヘクタールを上回るとみられている。
新華社は5月28日、青島海水稲研究発展センターは同日、新疆ウイグル自治区、黒龍江省、山東省、浙江省、陝西省内の六大試験基地で海水稲の栽培実験を開始したと発表した。(翻訳・編集/如月隼人)
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