大都市で「恐婚」現象拡大、生活・経済圧力が主因―中国

Record China    2012年4月13日(金) 7時36分

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9日、「自由を失うのが怖い。マイホームを買って家族を養うお金がなく、結婚しても幸せになれるとは思えない」――中国の大都市で「恐婚」現象が拡大している。写真は北京。

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2012年4月9日、中国国営ラジオ局・中央人民広播電台「経済之声」は、中国の大都市で拡大する「恐婚」現象について報じた。「自由を失うのが怖い。マイホームを買って家族を養うお金がなく、結婚しても幸せになれるとは思えない」――。「広州恋愛・結婚状況調査報告」によると、都市に住む結婚適齢期の人々のうち、3割以上の女性と2割以上の男性が、このような心理状態ゆえに、結婚に恐れを感じる「恐婚」症状を呈しているという。人民網日本語版が伝えた。

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「恐婚」はますます蔓延するのだろうか?婚活・お見合い番組が中国国内で大ブレイクする一方、「恐婚」や自分が結婚できるかどうか心配する「愁婚」などの心理状態に陥る大都市住民が増える理由は一体何なのか?

今回の調査は、男女半数ずつ計1622人の未婚者に対して行われた。調査対象者は1975年から1985年に生まれた結婚適齢期が多勢を占める。調査報告を担当した機関のひとつである婚活サイト・百合網の担当者は、「ひと口に恐婚と言っても、男性と女性では原因が異なる」と指摘した。

同担当者によると、広州の独身男性にとって、経済的圧力は極めて大きく、マイホームを購入し、家族を養うだけの経済的基盤がないことが、「恐婚」の主な原因という。一方、家庭という責任を担うことと自由を失うことに対する恐れ、そして離婚率があまりにも高い現状が、女性の「恐婚」の要因だ。

「恐婚」現象は広州だけで起こっている訳ではない。百合網が発表した「2011年中国恋愛・結婚報告」によると、相手の男性に求める収入条件は「月収4000元(約5万2000円)以上」と答えた女性が77.3%と、前年の66.3%よりかなり上昇した。また、「男性がマイホームを用意すべき」と考える女性は4割に達した。これに対し、男性の4割はこれを拒絶した。百合網の担当者は、男女間の愛情にも、今は「購入制限」が設けられていると話す。

同担当者は、「収入の面でも、不動産の面でも、男性に圧し掛かる結婚コストは高騰していることから、男性の『愛情』も『購入制限(出し惜しみ)』現象が起こっている」とコメントした。

百合網の結婚カウンセラー・周小鵬(ジョウ・シャオポン)氏は、「月給4000元は多くの結婚適齢期の人々にとって簡単にクリアできる条件ではない。しかし、大都市での衣食住コストや交通費を考えれば、これくらいは必要だ。この条件ゆえに、多くの人の結婚への道がますます遠のいてしまった」と指摘。このほか、仕事上の圧力から多くの人が「自分を抑える」傾向が強まっていることも、大都市や地方の中核都市で恐婚現象が蔓延する一因となっているという。

周氏は、「例えば、北京で、通勤に往復2時間以上かかり、ほぼ毎日残業しなければならないとしたら、仕事のストレスが高じる一方、自分をますます抑えなければなりません。自分の生活をコントロールしなければならない状況がより強まり、自分が持っているものを手放すことがますます怖くなります」と分析した。

「非誠勿擾」などの公開お見合い番組が大ブレイクし、注目度や人気が最高に達しているというのに、適齢期の人々が「恐婚」や「愁婚」の間で揺れ動き、その傾向がより強まっているのはなぜなのか?江蘇衛星テレビ編集室の劉原(リウ・ユエン)副主任は、「公開お見合い番組の大ヒットの裏には、現実社会の切実な問題がある」との見方を示した。

劉氏は、「社会は変化しながら発展していく。その中で、人々の考え方も変化する。番組に登場するさまざまなタイプの男女は、違った考え方の人々を代表している。番組でお見合いから生まれるドラマを一挙に公開することで、ポジティブな恋愛・結婚観を視聴者に伝えるのが我々の意図するところだ」とコメントした。

百合網の周氏は「お見合い番組では、結婚に到るまでの困難や問題がどうしても誇張されてしまうため、番組を視聴した結婚適齢期の若者たちは、結婚に戸惑うことになる。しかも、人によって注目する点は違うため、参加者24人の一人一人違った欠点に気がつき、結婚への不安はさらに膨らむ。1980年代生まれは特に個性が強いため、結婚生活の中で自分自身の一部を放棄することはさらに難しい」と指摘。「『恐婚』症状の蔓延を予防するために最も大切なことは、心構えや心の持ち方です。まずは『自己主張を控える』ことから始めるべきです」と続けた。

周氏によると、まずは自己主張を控え、次に相手との意思疎通を大切にすべきという。その次の問題は、相手の欠点が目につき、それが邪魔になって結婚相手として選べないことだ。適齢期の男女は、相手の欠点も、自分の欠点も、ともに受け入れようとする心構えが必要だ。こうして初めて、円満な結婚生活をスタートすることができる。(編集/TF)

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