野生狼の襲撃で浮き彫りになった農村の疲弊=村に住むのは老人と子供だけ―中国紙

Record China    2012年3月23日(金) 8時31分

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22日、中国青年報は山東省棗庄市の銀庄村で野生の狼が人を襲い、7名が死傷した事件について、農村から若者がいなくなったことが原因の一つであると指摘する記事を掲載した。写真は19日、射殺された狼。

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2012年3月22日、中国青年報は、山東省棗庄市の銀庄村で野生の狼が人を襲い、7名が死傷した事件について、農村から若者がいなくなったことが原因の一つであると指摘する記事を掲載した。

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狼に襲われたのは老人と子供ばかりだった。村は人家もまばらで、耕作地の多くも放置されている。労働力となる働き盛りの村民は都市へ出稼ぎに行き、老人と子供だけが村に残っている。狼も村の異常事態を察知したのかもしれない。

狼の襲撃事件では農村から若者が流出する「空巣化」問題が浮き彫りになった。労働の担い手となる世代が農村に戻らず、耕作地の多くが放棄されている。新しい農村をどうやって作っていくか、農業の近代化は誰が担うのか。今年の両会でも指摘された問題だ。国は一連の補助政策を打ち出すも、都市で出稼ぎをした方が多くの金を稼げる状況は変わっていない。

先進国では若者や、社会的エリートが農村に残るケースが増えている。日本の50代より若い農家では大学院卒の経歴を持つ者も多い。充実した社会保障制度により、老後は年金で快適に過ごすことができる。1970年代始めから多数の補助金政策により、日本では農家の平均収入が都市住民を超えている。

中国では農村の労働力を利用して工業化を進めてきたが、農民は都市住民と同レベルの給与、社会保障を享受できずにいる。農村の空洞化問題を解決し、都市と農村がともに改革の成果を享受できる方法を考える必要がある。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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