Record China 2012年1月13日(金) 11時40分
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12日、中国問題のスペシャリストとして活躍する青木麗子氏が「日本メディアに広大で複雑な中国の実態を正しく報じるよう厳しく求めるのは非現実的」と題したブログ記事を発表した。写真は山東省日照市の街角に掲げられた一人っ子政策の徹底を呼びかけるスローガン。
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2012年1月12日、中国語や中国問題のスペシャリストとして中国要人の通訳を数多く担当し、現在も政府、民間両分野で活躍する青木麗子氏が「日本メディアに広大で複雑な中国の実態を正しく報じるよう厳しく求めるのは非現実的」と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に発表した。以下はその内容。
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今日の中国で最も大きい変化は何かと聞かれたら、若者の価値観と生活スタイルだと答えるだろう。中国の「一人っ子政策」について、諸外国はあれこれ言っているようだが、実は今の中国の若者は晩婚を好み、独身貴族も大手をふるっている。結婚しても子育てに追われるよりは生活を楽しみたいと考え、子どもを作らない夫婦も多い。
家庭という概念も経済の急速な発展とともに薄れている。今回、中国で私たちを招いてくれた友人夫妻には6歳の男の子がいるが、旦那さんの仕事が忙しいため、家族3人で食卓を囲むことはほとんどない。50年代から始まった高度経済成長期の日本がそっくりそのまま中国で再現されているようだ。
中国の通信環境も大きく変わった。12、3年前は中国に電話1本かけるだけで大変だった。KDDの「0051」で相手先の番号を伝え、あとはひたすら折り返しを待つ。いつくるか分からないのでトイレも我慢。ようやくつながり、喜び勇んで「もしもし!」と叫んでも回線状態が悪いため、相手の声が聞こえない。それでも、やっと通話が始まり「○○さんはいますか?」と聞くと、「もう帰った」―。
今はもうそんな時代ではない。電話も直接かけられるし、メールも携帯電話も普及している。連絡を取りたいと思えばすぐにとれるようになった。まるで夢のようだ。筆者は今、北京にある中日合弁企業のお手伝いをさせて頂いているが、常に現地にいる必要はない。電話、FAX、メールだけでほぼ事足りてしまう。昔だったら考えられないことだ。
今回、1週間の間に北京、南京、上海を回り、どこに行っても中国の友人家族とゆっくり過ごす時間が持てた。彼らと中国の政治、経済などあらゆる分野について語り合ったことは忘れられない思い出だ。筆者はこれまで100回ほど中国を訪問しているが、いつも公式な行事ばかりで、ホテルと目的地を車で往復するだけで終わってしまい、中国の生の空気に触れる機会はなかった。
だが、今回は中国人の日常生活に深く入り込み、今の中国の真の姿を知ることができた。日本メディアも近頃、頻繁に中国の経済や社会の現状について報じているが、それはほんの一側面にすぎない。中国は広大な国土を持ち、56もの民族が住み、悠久かつ複雑な歴史も有する。中国の実情を1つも漏らさず報じることなど不可能なのだ。
中国は今も日々、変わり続けている。傍観者である我々も中国を見る角度を常に変えていかなければ、その真の姿を見失うことになり、せっかくのビジネスチャンスも逃すことになるだろう。(翻訳・編集/NN)
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