SMS黄金時代終わる?元旦の全世界送信量減少―中国メディア

Record China    2012年1月7日(土) 10時31分

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5日、新華ネットの報道によると、元旦のSMS送信量が世界各地で減少したという。資料写真。

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今年の元旦、韓さんはとても意外だった。というのも、彼が受け取った新年を祝うSMS(ショートメッセージサービス)がわずか7、8通だったからだ。過去数年、新年や節句には、大量のSMSが送られてきたものだ。「渋滞」がしばしば発生した状況とは雲泥の差がある。彼は、今年は多くの人がSMSではなくミニブログ(中国版ツイッター)で新年の挨拶を届けていることに気がついた。2012年1月5日、新華ネットが伝えた。

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この状況は決して偶然ではない。身近な友人の多くも軒並み、元旦にSMSを受け取ることは少なくなり、その他のさまざまなツールで届けられる新年の挨拶が増えたと語っている。

マカオに住む大学生の葉さんは、「元旦に、私と友人は『フェイスタイム(ビデオ電話)』をしました」と話した。

米フォーブス誌(電子版)によると、元旦のSMS送信量が世界各地で減少しているのと同様、クリスマスイブのSMS送信量も世界各国・地区で前年同期比かなり減少したという。フィンランドオランダ、フィリピン、中国香港の住民は、SMSからSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、電子メール、IP通信システムに鞍替えしている。

ここ数年の春節(旧正月)期間における全国SMS送信量の推移をみると、2003年70億通、2004年98億通、2005年110億通、2006年126億通、2007年152億通、2008年170億通、2009年190億通、2010年230億通と、飛躍的に伸びており、従来のショートメッセージ業務は依然急成長期にある。しかし、注意深く最近2年のデータを分析すると、伸び悩んでいることが分かる。1人当たりSMS送信量は2007年に1180通とピークを迎えた後、2010年には1027通まで下がった。これは、SMS送信総量は増えているが、SMS利用に対する意欲は逆に下がりつつある事実がうかがえる。

通信キャリア各社は、QQやMSNのモバイルIM(インスタント・メッセンジャー)が従来のSMSを脅かすのではと心配していた時期もあったが、その後、Kikメッセンジャーなどクロスプラットフォームのチャットソフトが登場、IMより大きな「威力」となった。IM上の連絡先と携帯電話住所録の連絡先は、ふたつの異なるグループ、すなわち「ネットライフ」と「現実生活」の交際圏だ。一方、Kikメッセンジャーでは、携帯電話住所録の連絡先に基づいてアドレスリストが作成され、仮想のソーシャル・ネットワークと現実生活が重なり合うことになる。

Kikメッセンジャーが大ヒットした後、国内のソフトウェア企業はそれに遅れまいと、各種「メッセージ(パーソナルメッセージ、ミニメッセージ、友達メッセージなど)や「チャット(MiTalk メッセンジャー、速聊など)を次々と発表した。これらのソフトはすべてKikメッセンジャーと類似したもので、発信者・受信者双方は、ソフトウェアをインストールするだけで、携帯電話の住所録にすぐ友人リストを作ることができる。ショートメッセージとIMとの相違点は、IMは、友人に音声メッセージを残し、動画を送信し、オンラインによる音声チャットを行い、ビデオを送信できることだ。このように様々な応用機能が付加されていることで、多くのユーザがこれらのソフトに夢中になった。

フォーブス誌の記事では、SMSが最も盛んだった国・地域ほど、すたれるのも速いと指摘されている。15年の長きにわたって愛用してきたサービスに対する消費者の忠誠度は、多くの人が想像するほど高くはないようだ。

中国のSMS業務は、全体的に見てまだ盛んだ。中国人ユーザの基数が膨大な数に上り、そのユーザの利用習慣が一朝一夕で変わることはないことが理由の一つ。次に、タブレットPCやスマートフォンをほとんど知らないユーザが中国ではまだかなり多いことが挙げられる。しかし、通信キャリア各社にしてみれば、先手を打つに越したことはない。携帯電話が固定電話に取って変わった時のように、SMSの「黄金時代」も過去のものとなりつつある。業務の重点を従来のSMSからデータ転送に移し、同時にMS業務の堅実な成長と応用開発を維持することが、インターネット時代の「王道」だと言えよう。(編集/内山)

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