<在日中国人のブログ>日本にはなぜ「心の病」の先生がこれほど多いのか?

Record China    2011年12月29日(木) 22時7分

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28日、華字紙・日本新華僑報の蒋豊編集長は「日本の学校にはなぜ精神疾患の先生が多いのか?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。資料写真。

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2011年12月28日、華字紙・日本新華僑報の蒋豊(ジアン・フォン)編集長は「日本の学校にはなぜ精神疾患の先生が多いのか?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。以下はその内容。

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文部科学省の発表によると、2010年度に病気休職した公立学校の教員は前年度比33人増の8660人で、過去最高を記録した。このうち、うつ病などの精神疾患で休職した教員は5407人で前年度より51人下回ったが、依然として高い水準を保っている。年代別では50代以上の2154人(40%)を筆頭に、40代の1827人(34%)、30代の1064人(20%)、20代の362人(7%)と続いた。

日本で「先生」という職業は収入も社会的地位も高く、羨望(せんぼう)のまなざしで見られている。だが、そんな輝かしい表向きとは裏腹に、日本の先生たちは大きなプレッシャーにさいなまれている。実は先生という職業は精神疾患の「ハイリスク層」だったのだ。実際、文科省が昨年発表した統計によると、2009年度に精神疾患で休職した教員は病気休職の63%を占めていた。

先生は子どもの魂を形成するエンジニアといってよい存在なのに、逆に魂の犠牲者になってしまっているとは。今年初めて休職した時点の赴任校での在任年数を調べたところ、2年未満が半数近くに達したそうだ。日本では公立学校の教育水準を一定に保つため、3〜5年ごとに先生を移動させる。先生はそのたびに新しい環境に慣れなければならない。赴任したばかりでは気軽に相談できる相手もいないだろう。

さらに、時代の進歩とともに日本社会の先生に対する要求もどんどん高くなっている。90年代から始まった「ゆとり教育」により、子どもたちの学習時間は減少。これに乗じて子どもたちは遊びほうけるようになり、勉強など二の次になっていった。だが、日本社会は子どもの学力低下を「教え方が悪い」と先生たちのせいにした。ゆとり教育で豊かな心を育むどころか、日本人の素養は低下の一途をたどった。

学校でも厳しく管理され、常に点数で評価される日々。これでは先生の心が悲鳴を上げてしまうのも無理はない。先生の心に余裕がなければ、授業に差し障るばかりか、子どもたちにも悪い影響を与える。中国でもうつ病の教師が生徒に危害を加える事件が起きるようになっており、他人事では済まされない。今回発表された統計は日本のみならず、中国の教育界にも警鐘を鳴らすものだと受け止める必要があるだろう。(翻訳・編集/NN)

●蒋豊(ジアン・フォン)

25年以上にわたってメディアの仕事に携わる。1999年創刊で年間発行部数324万部を誇る日本の中国語紙・日本新華僑報編集長。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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