中国の“アキレス腱”の水資源問題が、今後の対中貿易交渉の鍵を握る―香港紙

Record China    2011年11月29日(火) 5時59分

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22日、中国では国民の消費能力が高まるにつれ水の消費量は増大する一方。深刻な水不足は中国経済の根底を脅かすことに。写真は干ばつ被害が深刻な河南省の小麦農家。

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2011年11月22日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「中国の消費が増大、水使用量も増大」と題した記事を掲載した。25日付で環球時報が伝えた。

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米オバマ大統領は「貧困から脱却した多くの中国人は未来の米国の潜在的顧客になる」と発言。しかし国家や経済体が正常に機能するためには、水資源が必要不可欠だ。中国は31の省(直轄市・自治区)で11省が水不足の状況にある。そして、この11の「干ばつ」省が中国のGDP(国内総生産)の45%を支えている。中国の小麦作付面積は米国よりも大きい。その小麦が不作になると、世界全体の小麦生産量と価格に深刻な影響を与えることになる。その小麦をエサとする牛からは、牛肉だけでなく米国の製靴業にとって必要な牛皮がとれる。

さらにこの11「干ばつ」省は中国国内でも工業や農業の盛んな省であり、水資源の獲得は重要な課題。しかし住民たちが豊かになるにつれて、水の使用量は拡大するばかり。社会秩序や経済成長を維持するため、各省政府は工業中心の政策を見直す必要に迫られている。もはや水は中国経済の中枢作用を担っており、このままでは廉価な中国製品は今後市場から姿を消す可能性も。中国人が豊かになれば、さまざまな商品や電力の消費が増える。それらを生産するには水が必要不可欠なのだ。米国が推し進める環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)にとって、重要な決定作用を持つのは貿易交渉ではなく水資源になるだろう。(翻訳・編集/本郷)

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