人民網日本語版 2018年1月19日(金) 0時0分
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最近、日本企業の責任者が記者会見を開き、謝罪するシーンがテレビで頻繁に流れている。企業の幹部が頭を下げて社会全体に向けて謝罪を行うことは、日本企業の経営者や幹部が責任を負っていることを本当に表しているのだろうか?
テレビから流れてくる不祥事を起こした日本の大企業の幹部が行う記者会見での謝罪はその話し方から表情、頭を下げるときの腰の角度など細かい部分に至るまで、まるで同じ人間から指導を受けているかのように非常に形式張って見える。実際、謝罪の仕方をレクチャーするコンサルタント会社も存在し、謝罪の仕方だけでなく、全体的なチェックも行うのだという。
東北大学の大渕憲一名誉教授は心理学の研究に長年携わっており、どのように謝罪すれば相手に謝罪を受け入れてもらえるかといった研究も手掛けている。大渕名誉教授は不祥事を起こした当事者に直接指導しないが、謝罪コンサルタント会社を対象にセミナーを行っている。
大渕名誉教授は「謝罪にはいくつかの要素があるが、大きく3つに分けられる。1つ目は、自分たちの非を認め、責任を認めるということ。2つ目は、関係者に迷惑をかけたという思い。3つ目はこれまでのことを反省して、これから改善するという誓い」と説明した。
企業の不祥事が発生すると、日本メディアはその原因を徹底的に追及し、世論には不祥事に対する批判が広まる。そのため、企業はある一定のタイミングで、メディアの追及を一区切りさせ、世論の流れを変えようとする。この区切りとなるのが謝罪会見であり、適切な謝罪を行うことで騒動をしばらく収めることができる。そのため、マニュアルに則った流れで謝罪を行うだけでなく、謝罪による効果を最大限得られるように、事前にリハーサルも行う。
大渕名誉教授は取材の中で、正しい謝罪の仕方について頭を下げたときの腰の角度が大きいほど誠意がこもっていると説明。また、「通常起立して謝罪するので、最初に『このたびはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした』と言い、頭を下げる。その際に腰は45度くらいまで曲げ、10秒ほど経過してから頭を上げるのがいい」と説明した。
謝罪における頭を下げるときの腰の角度や頭を下げる時間の長さ、謝罪の言葉を数値化した場合、この1回の謝罪にはどれだけの誠意が込められているのだろうか。
これについて、大渕名誉教授は「謝罪が儀式化されているのは事実で、不祥事から信頼回復に向かう一連のプロセスの中の一つのステップであり、社会的な儀礼として行われている。そのため、謝罪する人が本当に誠意を抱いているかどうかはあまり大きな問題ではなく、それよりも大衆の面前で頭を下げるという行為を大事にしているといえる」とした。
便宜的な措置となっている謝罪ではあるが、日本の人々も大企業が謝罪した後の評価において、相応の考えを持っている。「謝罪とビジネスは一体であり、ビジネスにおいてきちんとした謝罪の仕方を身につけることは非常に重要視されている」とする人や、「きちんとした謝罪ができなければ、企業だけでなく、個人の人生にとっても取り返しのつかない失敗を犯すことになる」という意見の人もいる。
日本では謝罪は責任を負うことを意味しているわけではなく、謝罪後にどのように改善するかはまた別の問題。そのため当事者が完璧な謝罪さえすれば、社会的な制裁を受けなくて済むと考えているのではないかという懸念も存在する。確かに謝罪は一部の企業にとっては責任逃れの手段の一つとなっているが、結局のところ、すでに発覚した不祥事を謝罪だけで、無かったことにできるわけではない。しかし、一方で謝罪という方法を通じて、世論による批判をしばらくの間収めることは可能なのも確かだ。(提供/人民網日本語版・編集/YK)
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