Record China 2018年1月21日(日) 0時10分
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重慶商報はトンネルで銃撃戦が発生したとのデマが広まったことを受け、偽情報を発信した場合には処罰などの対象になると紹介する啓発記事を発表した。トンネルで発生したのは、実際にはこん棒を使ったけんかだったという。資料写真。
中国メディアの重慶商報は17日、重慶市内のトンネルで銃撃戦が発生したとのデマが広まったことを受け、偽情報を発信した場合には処罰などの対象になると、実例を挙げて紹介する啓発記事を発表した。トンネル内で発生したのは、実際にはこん棒を使ったけんかだったという。
「銃撃戦」のデマが広まったのは16日午後。重慶市内の嘉華橋トンネルで銃撃戦が発生し、銃で武装した特殊警察官も出動したとの「情報」だった。事実はドライバー同士のけんかだった。一方のドライバーがこん棒状の物体を取り出して攻撃した。攻撃を受けたドライバーが警察に「相手が銃を持っている」と通報したことで騒ぎが大きくなった。
重慶市江北区公安分局(江北区警察)は同日午後11時38分、SNSを通じてデマを流したり拡散した場合には刑執行の対象になるとして、デマをねつ造してはならないと同時に、由来が不明な情報に接した場合には十分に検討して、安直に拡散しないよう呼び掛けた。
重慶商報は、デマの実例3件を紹介した。最初に取り上げたのは2016年1月の「ガソリン爆弾」騒ぎだ。湖北省に住む男が、不具合を起こした農業用機械の交換をメーカーに求めたが応じてもらえなかったため、「圧力をかけよう」と思い、大型爆竹を複数持って出かけた。途中、同省漢口駅で「市長ホットライン」に電話をかけ「ガソリン爆弾を持っている。メーカーが交換に応じないなら、ここで爆発させてやる」と告げた。警察官がただちに駆けつけて男を拘束した。所持品に爆竹はあったが「ガソリン爆弾」は見つからなかった。男は虚偽テロ情報ねつ造罪により懲役6カ月の刑となった。
2015年には、安徽省の農村部に住む一家7人が、「強制立ち退きに抵抗して全員殺された。地元政府は情報を封鎖した」とする情報が動画付きでSNSで大規模に拡散した。警察が調べたところ、動画は河南省で発生した、10人が死傷した交通事故現場を撮影したものだった。動画を配信したのは広東省のインターネット関連会社の職員で、虚偽情報故意拡散罪により懲役2年の刑となった。
デマが民事訴訟の対象になったこともある。中国でも多くの店舗を展開しているケンタッキーフライドチキンが、デマを流され損害を受けたとして中国企業3社を相手に起こしていた訴訟で、上海市徐匯区法院(裁判所)は2016年2月、被告側に60万元(約1000万円)の損害賠償の支払いと、主要ポータルサイトでの謝罪広告掲載を命ずる判決を言い渡した。
被告は「羽が6本、足が8本ある鶏を使っている」「調理済みの鳥肉の中に生きたウジ虫がいる」といったデマを、合成写真などと共に流していた。
重慶商報は、2015年の刑法改正で、伝染病、事故や災害、事件について虚偽情報をつくって流したり、虚偽情報と知りつつ拡散した場合には、最大で懲役7年の刑になるなどと、デマに対する処罰が強化されていると紹介した。
中国ではインターネット、特に携帯電話やSNS利用が普及してから、地位や身分の高い人物の不正や犯罪行為が暴露されるケースが散発するようになった。当局が調査に乗り出し、対象人物が処分や処罰の対象になったこともある。
一方で、「偽情報」が広まることも増えた。「当局側に不正」とする偽情報も多い。当局側は取り締まりに力を入れている。(翻訳・編集/如月隼人)
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