頻発する出稼ぎ農民による暴動、中国の統治危機が顕著に―米華字メディア

Record China    2011年6月13日(月) 23時23分

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13日、広東省で相次いだ四川省出身の出稼ぎ労働者による大規模な暴動は、中国当局の統治危機と合法性の危機が深刻化していることの現れだと米華字メディアが報じた。写真は3月、海南省海口市の建設途中の「土楼」。四川省出身の労働者50人が共に暮らしている。

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2011年6月13日、広東省潮州市に次ぎ、増城市でも起きた四川省出身の出稼ぎ労働者による大規模な暴動は、いずれも自分たちの「権益保護」を求めたもの。その矛先は執政者に向けられたものが多く、中国当局の統治危機と合法性の危機が深刻化していることが顕著に現れている。米華字サイト・多維新聞が伝えた。

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四川省出身の出稼ぎ労働者は近年、複数の省で権益保護を求めた暴動を起こしている。そのうち最も注目を集めたのが、北京五輪開幕直前の2008年7月、浙江省台州市玉環県での事件。臨時居留証の手続きをめぐり出稼ぎ労働者の1人が係員とトラブルとなり逮捕されたことが、警官隊との大規模な衝突へと発展。1000人を超える同省の出稼ぎ労働者が3日間にわたり派出所を包囲し、警察のビルを襲撃した。結局、当局が武装警察を動員して鎮圧した。

香港紙アップルデイリーは、浙江省と広東省のこうした騒乱は、一部の地方で市民が突発的に引き起こす騒乱とは趣が異なると指摘。後者は直接的な利益が絡むとは限らず、うっぷん晴らしの意味合いが強く、組織をまとめる者もいない。前者はインターネットや携帯のショートメールで呼び掛ける点は同じでも、組織力があるため、一旦団結するとその破壊力は強く、持続する。

四川省の出稼ぎ労働者による騒乱が頻発する背景には、労働者の権益保護意識が向上したことと、行政や司法の不公平による矛盾が日増しに激化していることが挙げられる。役人の不正や汚職、職責への無責任が潮州での賃金未払いをきっかけとした事件により、余すことなく露呈した。

権益保護を出発点とするこうした「命をも惜しまず、何が何でも皇帝を引きずり下ろす」という考えは、民衆の社会に対する不満、政府に対する不信が長い間解消されなかった結果であり、信頼の危機、統治の危機、政権の合法性の危機が積み重なったものだろう。当局の相変わらずの無関心と、事件が起きる度に軍や警官隊を出動させて弾圧するという繰り返しは一体いつまで続くのだろうか?(翻訳・編集/NN)

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