2011年5月5日、中国新聞社は、中国人の海外旅行人気が高まるにつれ、観光客のニーズも多様化していると伝えた。

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韓国紙・朝鮮日報によると、上海在住のある独身女性（28）は、毎年必ず海外旅行をしている。去年はフィリピンとインドネシア、今年は韓国を4日間旅行した。かかった金額は1万5000元（約18万6000円）。年収（15万元＝約186万円）の1割に達した。旅の最大の目的はショッピングで、買い物に使った額は旅行費用全体の68％にもなった。

中国人の海外旅行者数、消費額はともに増加を続けている。英高級デパートのハロッズでは、店内に中国語で対応できる従業員を配置したところ、昨年の売上高は10億ポンド（約1320億円）に達し、売り上げ全体の14％を占めるまでになった。

各企業とも中国人顧客のニーズを配慮した商品・サービスを提供するよう努力しているが、旅行者たちが満足しているとはいえない。コンサルタント世界大手ボストン・コンサルティング・グループが中国15都市で旅行者4250人を対象に行ったアンケート調査によると、旅先が国内外問わずほとんどの旅行者が「満足していない」と回答した。「金を使いたいような物やサービスがない」ということだ。

中国人の海外旅行者は昨年、前年比20．4％増の延べ5739万人に増加した。海外旅行が普及するにつれ、顧客ニーズも多様化している。中国人旅行者の特徴は、▽年が若く旅行経験が少ない▽旅行期間が短い▽ネットで情報収集し、その情報に信頼性が高いと感じている▽支出額のうち買い物が占める割合が高い―などといわれている。

また、同グループは、中国旅行市場が13年に日本をしのぎ、世界第2位の規模に成長すると予測。海外旅行者数は今後10年に年17％増のペースで伸び続け、うち年あたり2500万人が海外旅行初経験者で、2020年には米国と肩を並べるとの見方も出ている。旅行者数の増加に伴い消費額も伸びるとみられ、同じく2020年にはその市場規模は3兆9000億元(約48兆円)に達する見込み。今後各国の観光関係者は、中国人旅行者のニーズを見極めた商品・サービスの提供を求められることになりそうだ。（翻訳・編集/AA）