<東日本大震災>今夏の電力危機深刻、前代未聞の節電・停電対策総動員へ=輪番操業、停電警報も―日本

Record China    2011年4月25日(月) 6時33分

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東日本大震災から1カ月半。東京電力の計画停電は当面回避されているが、日中の最大電力使用量が急増する今夏のピークを前に、輪番操業や停電警報の導入など、民間業界は前例のない節電・停電対策への取り組みに懸命だ。写真は部分消灯で暗い東急自由が丘駅など。

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東日本大震災から1カ月半。春の訪れとともに気温が上昇、東京電力の計画停電は当面回避されているが、日中の最大電力使用量が大きく膨らむ今夏のピークを前に、業界単位の輪番操業や緊急停電警報の導入など、民間では前例のない節電・停電対策への取り組みを急いでいる。照明を部分消灯して暗い駅構内(東急東横線自由が丘駅)。

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民間業界が節電・停電対策に真剣なのは、東京電力福島第1原子力発電所事故など東日本大震災に伴う「電源喪失」に対しては通常の節電努力では今夏の瞬間的な最大電力使用時の危機を乗り切れないと判断しているためだ。政府は今夏の電力不足対策として大企業・家庭一律に15%程度の電量使用削減を求める考え。東京電力は今夏の電力供給力を運転休止中の火力発電の復旧や揚水火力の活用などで5200万キロワットまで上積みできるとの見通しを示している。

しかし、古山通久九州大教授は「東電の供給力は最大限という断り付きのあくまでも数字の積み上げ。夏までに実際にそれだけの供給力を確保できるか保証の限りではない。過去のピークは6430万キロワット(2001年7月24日、最高気温38.1度)。安心できない」と指摘。日本経団連も会員企業などに対し、昨夏比25%減とした今夏の節電目標を堅持する方針だ。

自動車業界などが検討しているのは輪番による工場の操業停止。各社が交代で平日を休業日とし、代わりに電力消費量が落ちる土曜、日曜日に操業する。昼休みの長時間化・在宅勤務や夏季休暇の長期化、サマータイム制・フレックスタイムの導入なども検討中だ。富士通など家電各社は企業向けノート型PC(パソコン)に対し省電力ソフトを無料で提供する。電力使用量が上昇する日中はコンセントからの電気が自動的にストップ、その間充電池で稼働、夜間に充電するソフトだ。

一方、一般家庭でもエアコンや冷蔵庫の設定温度を上げるほか、(1)家電機器の主電源を切って「待機電力」(家庭用電力需要の約5%に相当)を節減する(2)不必要な電球を消灯、白熱電球をLED化するーなどさまざまな節電アイデアが出ている。

古山教授は「夏までには時間があまりない。どうしてもというときは緊急地震速報のようなリアルタイムの緊急停電警報をテレビや携帯電話で流し、大規模停電を回避する方法も考えてもいい」と話している。(取材・編集/RN)

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