上海・香港市場急拡大も「中国は10年後には深刻な人手不足に」―東京証券取引所社長

Record China    2011年2月2日(水) 16時27分

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斉藤惇・東京証券取引所グループ社長は日本記者クラブで講演し、世界における東証の地盤沈下ぶりを認めた上で、「世界の中で、上海、香港株式市場の伸びが著しいが、中国も10年後には人手不足に陥る」と語り、日本が悲観的になることはないと強調した。

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2010年2月1日、斉藤惇・東京証券取引所グループ社長は日本記者クラブで講演し、世界における東証の地盤沈下ぶりを認めた上で、「世界の中で、上海、香港株式市場の伸びが著しいが、中国も10年後には人手不足に陥る」と語り、日本が悲観的になることはないと強調した。

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斉藤社長は、2011年の一日平均売買高、株式新規公開(IPO)件数・調達額などが上海、香港市場を大きく下回り、かつて世界一を誇った時価総額でも両市場合算にはるかに届かなかったことを明らかにした上で、「世界の中で、中国や韓国、シンガポールなど他のアジア市場のウエイトが急速に高まっている」と語った。

同社長は東証の地盤沈下の要因として、株価の極端な低迷ぶりがあると指摘。「株価指数は1990年を100とすると東証は現在34にとどまっている。上海は2098、インドも1931と大きく伸び、ニューヨークの462、ロンドンの253に比べても桁違いの低さだ」と述べた。

さらに、日本は税金や規制など投資リスクが高い割に経済成長率が低いので魅力がない、と株価低迷の背景を説明。東証の売買に占める比率をみると、国内の投資家が40%以下なのに対し、海外投資家は60%を上回っているとし、「日本人投資家は海外株式に投資し、資金流出となっているので、もっと日本市場に目を向けてほしい」と国内投資家に要望した。

日本企業に対しても、「最近、日本の製造業は冷蔵庫や液晶テレビなど多くの分野で、消費者、特に最大マーケットのアジアの顧客のきめ細かいニーズを把握するための市場リサーチが不得意。この結果、韓国、中国の競争相手に負けている」と述べ、一層の企業努力を求めた。

また、「日本の技術水準が高いというのも、もはや神話であり、教育にもっと力を入れるべきだ」と政府の教育政策にも注文をつけた。また、アジア太平洋での自由貿易圏の構築を目指す「環太平洋戦略経済連携協定(TPP)」への参加が日本企業の新興にとって必要不可欠だと強調した。

ただ、「先行き、日本だけが地獄を見るということはない。今一番勢いのある中国だって、あと10年後には深刻な労働力不足に陥る。米国や欧州も厳しい状況が続く。一番大事なことは悲観的にダメだダメだと言わないことだ」と強調。就職難で内向き志向と言われる日本の若者に対しても、「世界に行けば職はいくらでもある。中国に行けば仕事につける。若者をエンカレッジすることも我々の責任だ」と語った。(取材・編集/HY)

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