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17日、中国のコラムニスト・林楚方氏が中国誌に掲載された自身のコラム「上海大火災で考えさせられた市民のお眼鏡にかなう都市はあるのか」を中国のブログサイトで発表した。写真は15日に起きた上海の高層マンション火災の現場。
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2010年11月17日、中国のコラムニスト・林楚方(リン・チューファン)氏が中国誌・中国新聞週刊(電子版)に掲載された自身のコラム「上海大火災で考えさせられた市民のお眼鏡にかなう都市はあるのか」を中国のブログサイト・鳳凰博報で発表した。以下はその内容。
【その他の写真】
「よりよい都市、よりよい生活」をテーマに掲げ、史上最も成功したはずの万博が開かれた上海市で大火災が発生し、多くの人命が奪われた。はしご車は上階まで届かず、消火用の水も不足。人々はただ黙って炎の中に残された家族や友人が焼け死ぬのを見ていた。火は可燃物をすべて焼き尽くし、ようやくおさまったものの、悲劇はこれに止まらない。下請けや孫請け業者によるごまかしや危険を指摘する声は以前から出ていたのに、「よりより都市、よりよい生活」が何もかもにふたをし、全く生かされていなかったことが分かったのだ。
だが、これほど多くの死者が出なければ、誰も問題の根本を考えようとはしなかっただろう。今でも自分たちの街は「偉大」で「素晴らしい」と思い込んでいたに違いない。「調和のとれた社会」とは号令だけなのか。中国有数の大都市・上海でさえ、高さの足りないはしご車や十分に水の出ないホースを用意することしか出来なかったのだ。こうした悲劇は今後も中国のどこかの都市で繰り返されるだろう。我々中国人はこれほどもろく弱い「調和のとれた社会」で生活しているのか、と考えさせられる。
お偉いさん方に言いたい。我々の街をもっと丈夫にしてもらえないだろうか。火事や地震の時はどうすれば身を守れるのかを学校や自治体ごとで訓練し、消防設備は定期検査を怠らない。法律を守らない人間にはすぐに罰を与える。これは無理なお願いだろうか?国家政権に危害を与えるものだろうか?もうこれ以上、臭いものにフタをし、誰かに罪をすべてかぶせて終わりというやり方では意味がないし、恥ずべきことだと思う。
お偉いさん方はみな低層階や戸建てに住んでいるのだろう。だが、自分の子どもや親戚、友人が「高層マンションの方が、景色が良いから引っ越したい」と考えているかもしれない。だが、こんなにも考えさせられる状態が続くのであれば、彼らが高層マンションどころか天国にまで上ってしまう可能性も十分にあり得るということを分かって頂きたい。(翻訳・編集/NN)
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