<レコチャ広場>中国がレアアースの対日禁輸しないのは、「日本の環境技術」の流入途絶は困るから

Record China    2010年10月6日(水) 15時0分

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4日、北京大学メディア研究者の王錦思氏はブログで、中国がレアアースの対日輸出を止めないのは日本から環境保全技術の提供を受けたいという思惑があるからだと指摘した。写真は河北省秦皇島の鉄鉱石ふ頭。

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2010年10月4日、北京大学メディア研究者の王錦思(ワン・ジンスー)氏はブログで、中国がレアアースの対日輸出を止めないのは日本から環境保全技術の提供を受けたいという思惑があるからだと指摘した。以下はその概略。

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尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をきっかけに中国国内ではレアアースの対日輸出差し止めを求める声が噴出しているが、中国政府は輸出を止めていない。その理由は、中国はレアアースなどの資源と引き換えに、世界最高レベルの日本の環境保全技術を手に入れたいと考えているからだ。

中国商務部の陳徳銘(チェン・ドーミン)部長も「日本の家電リサイクル技術は素晴らしい」と称賛し、天津の低炭素経済モデル地区や河北省唐山市の曹妃甸(そうひでん)工業区などの環境プロジェクトで日本の協力を仰ぎたいと発言している。中国は、日本から技術と資金が提供されることを望んでいるのだ。

レアアースの輸出が滞っている問題でも「政府はいかなる禁止令も出していない」とし、あくまでも企業レベルの判断だと強調した。だが、いずれにしろ今回の措置が日本を苦境に追い込むことが目的だったとすれば、それを達成するのは難しいだろう。そればかりか、かえって日本から技術と資金を引き出せなくなる恐れが生じてきた。

中国はレアアース大国ではあるが、唯一の産出国ではない。一方、日本の環境保全技術は唯一といって良いほどの最高レベルを誇る。中国が日本の技術を必要としている度合いは、日本が中国のレアアースを必要としている度合いを上回っていることが、中国政府がレアアースの対日輸出を止めない最大の理由だと筆者は考える。(翻訳・編集/NN)

●王錦思(ワン・ジンスー)

吉林省出身、北京在住のジャーナリスト。北京大学でメディア学を専攻。日中歴史問題や抗日戦争史を研究課題としている。著書に「日本行、中国更行」。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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