中国「5か年計画」のエネルギー消費量削減目標、未達の可能性が大―仏メディア

Record China    2010年8月29日(日) 20時42分

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22日、AFP通信は、中国政府によるエネルギー削減目標が今年末までに達成できない可能性を報じた。政府は環境対策不全の工場に閉鎖命令を発しているが、目標達成ができなければ国際社会の信頼を失う危険性もある。写真は工場排水によって汚染された遼寧省の河川。

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2010年8月22日、AFP通信は「環境保護政策の達成目標期限が迫り、中国は工場を閉鎖する」と題した記事を掲載した。中国政府は「十一五」(第11次5か年計画、2006〜2010年)で「2006〜2010年の間に単位GDP当たりのエネルギー消費量を20%以上削減する」との目標を掲げたが、その期限が近づいており、環境対策が不全の工場に対し閉鎖命令などを発しているものの、期限内の目標達成が危うくなりつつあると報じた。25日付で環境時報が伝えた。

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記事によると、中国政府は今月、鉄鋼、石炭、セメント、アルミニウム、ガラス業界など、エネルギー消費の著しい生産企業2087社に対し、9月末までに老朽化した工場を閉鎖するよう命じ、これに応じない場合は銀行からの資金凍結や電力の供給切断を行うと発表した。また、安徽省では、汚染排出抑制目標が達成できなかった工場500社以上がすでに1か月にわたって電力の供給をストップされているという。

中国の単位GDP当たりのエネルギー消費量は、09年末現在で14%減少したものの、今年上半期は逆に0.09%増加しており、地政学的リスク分析を専門とする米コンサル企業ユーラシア・グループのアナリストは「目標が実現できなければ国際社会からの信頼を失うことになる」と警告する。さらに、「かつても汚染削減のために高汚染企業の工場を閉鎖したが成功しておらず、今回もそのリスクは高い」とし、「中央政府は目標が達成できない場合のペナルティーを示すなどして、地方自治体への圧力を強めている」と話す。

一方、オーストラリア国立大学(ANU)気象変化研究所の専門家は、「経済成長と汚染削減のバランスを取ることは非常に難しい。特に経済が著しいスピードで成長している場合には、ハードな戦いになる」と指摘し、中国政府の目標実現がかなり難しいとの見方を示している。(翻訳・編集/HA)

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