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10年8月、ブログ「Kinbricks Now」は、「罰金定額制」という不思議な制度が存在していることを取り上げた。写真は昨年8月、石炭を過積載したトラックが橋を踏み抜いた事故。
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2010年8月、レコードチャイナのライターによるブログ「Kinbricks Now」は、「罰金定額制」という不思議な制度が存在していることを取り上げた。
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2010年8月17日、中国広播網は江西省楽平市に「罰金定額制」というとんでもない制度が存在すると報じた。前もって一定額を支払うことで、その後一定期間はいくら交通違反をしても罰金を支払う必要がなくなるという。
楽平市に住むトラックドライバーの程さん。7月19日、過積載で摘発された。いつもなら罰金は60元(約754円)、取り締まりキャンペーンで値上げされていても最高で100元(約1260円)だが、この日はなぜか8000元(約10万円)という大金を要求されたという。
驚く程さんに警官が説明したのは「罰金定額制」という恐るべき制度。2010年から楽平市警察が導入したもので、あらかじめお金を支払うことで一定期間、同一の交通違反では罰金を支払う必要がなくなるという。「違反しホーダイ」というとんでもない制度。しかし隣の市に行けば効果はないというだけに、ドライバーにどれだけメリットがあるのかは疑問だ。
中国広播網の取材を受けた楽平市交通警察大隊の徐副隊長は、数十元の罰金では抑止効果がないため、罰金徴収の回数を減らすためとその目的を話している。堂々と「罰金定額制」の存在を認めた楽平市警察に対し、19日付華西都市報は、警察は本来ドライバーを監督するもの。「罰金定額制」はまるで「保護費」(ヤクザのみかじめ料)ではないかと厳しく批判している。
思うに「罰金定額制」とは制度化されたわいろではないのか。警官にわいろが通用する国は少なくない。現在、中国ではわいろを受け取る警察官の数は減っているようだが、市警察自らが処罰を見逃すために金を支払うように求めていると言える。経済大国として法律の整備を進める中国、しかし地方当局による実際の運用との間にはまだまだ大きな開きがあるようだ。(筆者:chinanews)
■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「Kinbricks Now」「21世紀中国ニュース」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。
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