中国労働市場、依然供給過多は変わらず=低賃金時代の終焉は遠い―中国紙

Record China    2010年8月6日(金) 23時21分

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5日、このほど北京市などを含む中国の多数の省市で最低賃金の引き上げが行われたが、労働力の供給過多は変わらず、労働コストは低く抑えられているという。写真は河南省鄭州市で「富士康」の求人に応募する人々。

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2010年8月5日、このほど北京市などを含む中国の多数の省市で最低賃金の引き上げが行われたが、沿海地域の各都市の最低賃金はほぼ同水準を保っており、労働力の供給過多である状況は変わらず、低コストの労働力供給国・中国は健在だ。21世紀経済報道が伝えた。

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中国就業研究所所長で中国人民大学労働人事学院院長を務める曾湘泉(ゼン・シアンチュエン)氏は、中国全土で相次いで賃上げが行われている現状について、「中国はまだ労働力の供給過多の状態が続いている。低賃金時代の終焉は遠い。失業率の減少もそうだが、就業環境の改善にもっと注視していく必要がある」と語った。曾氏によれば、沿海地域で普遍的に見られるようになった「労働力不足」は、必ずしも労働力の需給関係の変化を示すものではなく、多くの出稼ぎ労働者が内陸部に移動したため生じた現象だという。

最低賃金の引き上げに関しても、同氏の見方は楽観的ではない。中国の現状は、国民所得における賃金の割合においても、平均賃金と最低賃金の差率においても、国外レベルとは大きな開きがあるという。例えば国外の最低賃金はだいたい平均賃金の40〜50%ほどだが、中国にとってはほど遠い数字だ。同氏は「中国の最低賃金は労働者の生活保障の観点から決められるのではない」と指摘、「外資の誘致のために労働力を低コストに抑えたいとの地方政府の思惑も働いている」とも述べた。(翻訳・編集/津野尾)

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