<レコチャ広場>「世界」に関する中国人の12の誤解

Record China    2010年7月17日(土) 20時28分

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15日、コラムニストで教育専門家の信力建氏は「中国人が誤解していること」と題したブログ記事を発表した。写真は05年7月、上海で開かれたマルクス主義文化芸術作品展。

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2010年7月15日、コラムニストで教育専門家の信力建(シン・リージエン)氏は「中国人が誤解していること」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。以下はその抄訳。

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2000年来、中国は「世界の中央の国」であり、周囲の他国を「蛮夷の国」と見なしてきた。アヘン戦争によってこうした態度は粉々に打ち砕かれたが、しかし中国人の考える「世界」はなお誤解に満ち満ちている。

誤解1:外国とは米英を指す

現代の西洋文明は単一ではなく、古代ギリシャ哲学と民主主義、中世キリスト教文明、近代工業文明の3つの要素を持っている。

誤解2:サッカーW杯はサッカーファンのためのイベントだ

実際はというと、金儲けのイベント。南アフリカW杯での国際サッカー連盟(FIFA)の収入は87億ドル(約7520億円)に上る。

誤解3:世界貿易機関(WTO)は国単位でメンバーとなり、先進国の利益を代表している

実は政府以外に非政府組織(NGO)も参加しており、生活水準の向上、雇用の確保、関税障壁の撤廃、貿易の拡大、途上国の利益確保、持続可能な経済成長を旨としている。

誤解4:インドは階級差別が激しく、貧乏で愚かで遅れている

インドは偉大な古代文明を持ち、今や年8%の高成長を続けている。比較的健全な民主主義制度も備えており、研究者の多くはインドの潜在能力を中国以上と評価している。

誤解5:自由と平等は同じもの

この西洋政治哲学の核心的な二つの理念は、しかし深刻な矛盾を抱えている。自由を強調しすぎれば財産、地位、チャンスなどの平等が達成出来ない。平等を強調しすぎれば強者の優位は制限され、「全体主義国家」の誕生を招きかねない。

誤解6:宗教やシャーマニズムは迷信だ

誤解7:中国には5000年の文明史がある

誤解8:対外強硬派は愛国者、外国と妥協するものは売国奴

明治維新前の日本は列強と不平等条約を結んだ。これは戦争を避けるためであり、発展を遂げた日本はわずか25年で不平等条約撤廃に成功、アジアの強国となった。

誤解9:宋明の理学(儒学の一派)は人をだました教え

外国人にも理学は評価されている。

誤解10:宗教は反科学

ルネサンス期、科学はキリスト教の大学で発展を遂げた。

誤解11:文明は必ず進歩する

中国の堯舜の世やギリシャの黄金時代など、人類は古代楽園で暮らしていたとの考えがあるが、人類学的に根拠がないわけではない。かつて人類は自由に平等に暮らし、あくせく働くことなく十分な食事を得ていたという。文明の成立が経済と政治の関係を変えたのだ。

誤解12:欧米諸国は恐怖からマルクス主義に反対している

マルクス主義は西洋の学問が生み出したもので、最も優れた思想の一つに数えられ、今なお信じる人は多い。これこそが思想の自由であり、政府が考えを変えるよう強要することは違法だ。マルクス主義は広く研究され、構造主義的マルクス主義やポストマダニズム・マルクス主義など多くの学派を生み出してきた。これらの新たな研究によってマルクス主義はさらに広まったばかりか、今なお生きた思想として存在している。(翻訳・編集/KT)

●信力建(シン・リージエン)

中国の教育家。信孚教育集団理事長。広東省広州市生まれ。中山大学中国文学部卒。工場、銀行、政府機関などで働いた後、英国へ留学。軍人、農民、労働者など30以上の職に就いた経歴を持つ。2006年までに幼稚園や小中学校など20校を建設、学生数は1万人を超える。

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