Record China 2006年12月12日(火) 10時22分
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「600の企業が参加、求人件数は3万人」新聞にこう広告が出された就職説明会には、限られた職種を募集する企業がたった200社程しか来ていなかった。宣伝内容とのあまりの違いに腹を立てた人々は、入場券を払い戻すよう責任者の王氏に詰め寄った。
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2006年12月10日、江蘇(こうそ)省南京(なんきん)市の五台山スポーツセンターで行われた就職説明会に、会場を訪れた数千人が苦情を申し立て返金を求めた件について、レコードチャイナはさらに詳しい情報をつかんだ。
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その就職説明会とは、大学や専門学校卒業生のために「江蘇英才人材マーケット」という企業が主催したもので、事前に新聞に掲載された広告によると、参加予定企業は600社、求人件数3万人、そして会場には一度に10万人が入れることが記されていた。本来は学生向けの説明会だが、大規模なため仕事を求める学生以外の人々も多く訪れた。
ところが20元(約300円)の入場券を購入して会場に入ってみると、参加企業は約200と少なく、募集も警備員や大工などの肉体労働系ばかり。当然会場を訪れた人々の不満はつのっていった。
やがて「責任者を出せ」「入場料を返せ」という声が高まり、別の場所にいた江蘇英才人材マーケットの責任者・王(ワン)氏が場をおさめるために呼び出され、車で会場に到着した。いきなり怒り狂った群集に取り囲まれ、恐ろしくなって慌てて車の上に逃げた。
しかし恐がっている様子など見せるのは、メンツに関わると思っているのが中国人。いつの間にか現れたスピーカーを手に、王氏は余裕の表情を見せながら説明した。「企業が突然キャンセルされたので、自分たちにもどうしようもなかったのだ」。
そのうちに他都市や他省から来た人々は、帰るため早々と会場を立ち去った。これ以上ここにとどまっても成果はないし、下手をすると宿泊費がかさむだけと思ったのだろう。地元に住む学生300人だけが会場に残り、いつまでも苦情を言い続けていたため、主催者側は彼らに対し、入場券と引き換えに20元をその場で払い戻すことにして、ようやく事をおさめたのだった。
近年就職難が続く中国では、これをビジネスのチャンスととらえた企業による就職説明会が頻繁に催されている。中国の就職説明会は、参加企業からはもちろん求職者からも参加費をとるのが普通だ。その参加費は、企業のレベルや職種によって異なるという。一般の企業ならば10〜20元(約150〜300円)が普通で、学校の教師や航空機客室乗務員の就職説明会は100元(約1500円)、公務員は最低が60元(約90円)だという。この60元はもちろん、試験にかかる費用とは別である。こうした確たる理由のない入場料の決まりに対し、メディアは「就職説明会で求職者からお金をとらないようにしよう」と呼びかけている。
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