Record China 2010年6月10日(木) 22時33分
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2010年6月、中国の日本語雑誌「人民中国」の王衆一総編集長はこのほど、東京・新宿にある工学院大学孔子学院の特別講座で「流行語から見る中国社会の変化」と題して講演した。
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それによると、中国では1980年代に改革開放政策が打ち出されるまで流行語という概念がなかったが、現在は日本とのほぼ30年に及ぶ時差を埋めるような急速な発展が進行中だ。その中で、インターネットの隠語、テレビ・新聞・映画などのメディア、各レベルの指導者の発言や当局の用語などから多くの流行語が生まれている。
そうした中で、日本語に由来する流行語として、20年前には中国語にはなかった「人気」や「親子」「宅男(オタク)」といった単語が中国でも浸透。一方で、「無洗米」や「不織布」といった、日中双方で使われ始めながらも、漢字の用法が異なるためにまったく別の単語に発達したものもある。
また、漢字や文化が共通する両国だけに逆に言葉の使い方が難しい例があるという。中国に進出した外国企業等のネーミングでは、全く言語体系が異なるドイツ企業シーメンスが中国の古典「金瓶梅」の主役を連想させる「西門子」という中国名で成功したのとは対照的に、日本のぴあ(中国名:琵雅=ピーヤ)やドラえもん(同:多拉A夢=ドォーラエーモン)のように、日本語の原音にこだわるあまり、実態が分かりにくい中国名を採用して中国でのイメージ作りに失敗した例もある。
王総編集長は「新語・流行語は社会の意識を反映し、価値観の変化を伝え、人々の喜怒哀楽を年輪のように記録している。毎日起こるニュースに注目すると同時に、流行語に秘められた情報を読み取れば、より深い理解が可能だ」としている。(NK)
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