出勤時のタイムカードは不要。毎日ホテル暮らしができる。そんな快適な生活を送るだけでなんと1万元（約13万5000円）もの月給がもらえるという夢の職業、それがホテルの評論家であるホテル・テスター。中国で最も快適な仕事と呼ばれている。2010年6月4日、中国青年報は、ホテル・テスターの仕事を追った。

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昨年末、トラベルサイト「どこにいく？」がホテル・テスターを募集した。学歴、職業経験、専門はすべて不問。それでいて1万元もの月給が支払われるという好条件に7000人以上の応募があった。3人が採用され、仕事を始めてすでに1か月が過ぎたという。

選ばれたホテル・テスターの一人が、27歳の美女・張与墨（ジャン・ユーモー）さん。この日はランクが高いホテルに泊まるということで、ファッションもばっちし決めてきたのだとか。ホテルの格式に合わせるのが張さんの作法だ。

以前はテレビ局のディレクターを勤めていたという張さん。仕事柄、そして旅行好きの性格もあって、五つ星ホテルからベトナムの簡素な民宿まで多くのホテルに慣れ親しんできたという。ノルマは月に10件だというが、消化するのはかなり大変だ。「どこにいく？」に掲載されていないホテルを探さなければいけないが、同サイトに登録されているホテル情報はすでに3万4000件以上。他にも条件があり、必死に探す毎日にノイローゼになりそうだったのだとか。

さて、チェックインした張さん。部屋の隅々まで細かく写真を取りながら、汚れはないか、設備の水準などを丁寧にチェックしていく。自分を「完璧主義者」と呼ぶ張さんだけに、まさに水を漏らさぬ仕事ぶり。最終的に制作するレポートは5000字を超える長文となる。加えてレストランや他のサービスもレポートするという。

張さんは言う。「いいホテル・テスターになるためには多方面の才能が求められます。第一に芸術を理解すること。第二に意欲に富み、鋭敏な観察力と感受性があること。第三に文章力と撮影能力。第四にコミュニケーション能力。そして論理的な思考と連想力、総括力も不可欠です」、と。（翻訳・編集/KT）