Record China 2010年6月5日(土) 8時49分
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1日、人民日報紙傘下の雑誌が、不動産価格の高騰が原因となって中産階級が減少し、中国の社会構造が低所得者層と高所得者層に二極分化する可能性があると報じた。写真は北京、低所得者が入居するカプセルアパート。
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2010年6月1日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の雑誌「人民論壇」が、国内での収入格差拡大について、低所得者層と高所得者層に二極分化する可能性があると報じた。その原因の一つとなっているのは、不動産価格高騰に起因する中産階級の減少だと指摘している。
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記事を執筆したのは中国社会科学院の専門家。中産階級とは一般に「安定した収入があり、自身の経済力で住居や車を購入し、旅行費や教育費などをまかなうことができる層」を指すが、この基準を現在の中国に当てはてみると、不動産の価格は高すぎて持ち家には手が出ず、とても中産階級と呼べる層は存在し得ないという。
09年初頭から始まった急激な住宅価格の高騰。政府は今年4月に住宅価格抑制政策を打ち出した。居住目的ではなく、資産運用を目的として購入される2件目以降の物件に関し、ローンの頭金比率を規定するなどしているが、現在のところ効果を表しているかは定かではない。
持ち家の購入できる層を「中産階級」と定義するなら、そこへ昇格するためには、老後の年金を削り、医療費を削り、子どもたちの教育費を削らなければならない、というのが多くの中収入者層の現状だ。それはまさに住宅ローンの奴隷と言ってもいいだろう。
また、同じ中収入者層の中でもとくに悲惨なのは、1980年代に生まれた「80後」と呼ばれる若者たち。大卒などの高学歴を持ちながら定職もなく、失業あるいはワーキングプアの状態から抜け出せないまま、都市郊外の低家賃住宅で集団生活しているケースが多く、彼らは「蟻族」と呼ばれている。記事は、こうした人々が生まれた原因にも不動産価格の高騰が大きく影響しているとし、「蟻族」の出現は格差の拡大とともに、中国の社会構造が二極分化する可能性が高いことを示していると指摘している。(翻訳・編集/岡田)
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