<地球温暖化>“渡らない”渡り鳥も!200億羽の移動習性、遺伝に影響―英紙

Record China    2010年4月27日(火) 9時35分

拡大

22日、英紙インディペンデントによると、過去数十年間に及ぶ地球温暖化の影響によって、世界の渡り鳥の約70%にあたる200億羽が生態の変化を余儀なくされてきたことが明らかになった。写真は中国河北省・秦皇島のタンチョウヅル。

(1 / 4 枚)

2010年4月22日、英紙インディペンデントによると、過去数十年間に及ぶ地球温暖化の影響によって、世界の渡り鳥の約70%にあたる200億羽が生態の変化を余儀なくされてきたことが明らかになった。このほど開催された鳥類に関する国際会議で発表された。網易探索が伝えた。

その他の写真

スペインの鳥類学者ミゲル・フェレール(Miguel Ferrer)氏は、約200人が出席した鳥類国際会議で、「過去数十年の間に、約200億羽の渡り鳥が移動の習性を変化させてきた。この数値は世界の渡り鳥の総数の約70%に相当する。こうした変化を引き起こした最大の原因は、地球温暖化である」と発表。フェレール氏によると、過去に長距離を移動していた渡り鳥は移動の距離を短く、短距離を移動していた渡り鳥は移動せずに一定地域にとどまるような変化が見られ、これらの変化によって繁殖や食餌の習慣、遺伝の多様性などだけでなく、食物連鎖にさえも影響を与えているという。

また、イギリス在住の世界的な鳥類研究家イアン・ニュートン博士は「気候変化と環境変化が、極端な環境に対する渡り鳥の適応能力を強制的に高めている」とし、「約1万年前に終了した直近の氷河期時代にも、渡り鳥は移動の習性を変化させた。現在、渡り鳥の移動の習性に変化が生じていることは、彼らにとって簡単な選択ではない。人類の活動によって地球環境に壊滅的な変化が発生している」と指摘する。

現在、渡り鳥には移動の習性の変化だけでなく、形態上の変化も見られる。一部の鳥類は羽が短くなったり、くちばしの形状が変化しており、西マドリード・コンプルテンセ大学の研究員は「こうした変化は一過性のものではなく、一種の遺伝現象になっている」と語る。

地球温暖化の影響で、ある地域では年間平均気温の等温線が毎年4kmも北上している。これは氷河期時代の温度変化の20倍のスピードになっており、渡り鳥の生態に対して相当な影響を与えている。タンチョウヅルを例にとると、スペインにおける生息数は6年前の2倍に、ポーランドでは20%増になった。また、日本ではこれまで越冬する渡り鳥が多く見られたが、温暖化の影響でその数量は極端に減少しているという。(翻訳・編集/HA)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携